スーダン、IRC「2026年人道危機」最警戒リスト首位に—3年連続
国際NGO「国際救済委員会(IRC)」は、2026年に人道危機がさらに悪化するリスクが最も高い国としてスーダンを1位に挙げました。スーダンがIRCの年次「エマージェンシー・ウォッチリスト(Emergency Watchlist)」で首位となるのは3年連続です。リストは火曜日(2025年12月中旬)に公表されました。
なぜ今、スーダンが「世界で最も危険な人道危機」とされたのか
IRCのデービッド・ミリバンド社長兼CEOは声明で、現地で起きていることは「悲劇的な事故」ではなく、世界の「行動と言葉」が危機を「生み、長引かせ、報いる」形になっていると指摘しました。ミリバンド氏は、スーダンの危機を、国際社会の混乱を象徴する「署名(signature)」だと表現しています。
IRCはスーダンの状況を、これまで記録された中で最大の人道緊急事態と位置づけました。数字の大きさだけでなく、暴力と避難、支援不足が絡み合い、危機が日常化していることが背景にあります。
戦闘の長期化と、1200万人超の避難
スーダンでは、スーダン国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の衝突が2023年に始まり、それ以降、1200万人以上が家を追われたとされています。
避難した人々は、移動の途中や避難先でレイプ、強盗、家族の喪失などの深刻な暴力にさらされるケースがあるとされます。一方で、支援する側も十分な資源を確保できず、支援活動が思うように進まない現実があると報告されています。
「人口12%の国々が、世界の人道ニーズの89%」という偏り
IRCは今回、ウォッチリストに載った20の国・地域について、次のような特徴を挙げました。
- 世界人口に占める割合は12%にとどまる
- 一方で、世界の「人道支援を必要とする人々」の89%が集中している
- さらに、これらの国・地域は2029年までに世界の極度の貧困層の過半を抱える見通し
危機が特定の地域に偏在し、その偏りが時間とともに固定化していく——。IRCの示した見取り図は、単発の災害対応というより、国際社会の優先順位や資源配分の問いを含んでいます。
上位10の多くをアフリカ諸国が占める
ウォッチリストの上位10には、スーダンのほか、南スーダン、エチオピア、コンゴ民主共和国、マリ、ブルキナファソなど複数のアフリカ諸国が含まれました(IRC発表)。
また、リストにはこのほか、ミャンマー、レバノン、アフガニスタン、コロンビア、シリア、ウクライナ、イエメンも挙がっています。地域も要因も異なる危機が並ぶ一方で、「長期化」「資金不足」「治安悪化」「脆弱な生活基盤」といった共通項が見え隠れします。
静かに進む危機の「常態化」をどう読むか
ウォッチリストは「いま最悪」だけでなく、「来年(2026年)に向けて悪化するリスク」を示す枠組みです。戦闘が続く限り避難は増え、避難が増えるほど支援は追いつきにくくなる——。この連鎖が断ち切れないまま、危機が“当たり前”になってしまうことが、最も見えにくいリスクなのかもしれません。
Reference(s):
Sudan tops International Rescue Committe’s humanitarian crises list
cgtn.com








