トランプ氏、ベネズエラ向け「制裁対象タンカー」封鎖を命令 緊張が急拡大
2025年12月17日(現地時間16日)、米国のドナルド・トランプ大統領が、ベネズエラに出入りする「制裁対象の石油タンカー」を海上で封鎖するよう命じたと発表しました。米軍のカリブ海での展開と重なり、ベネズエラのマドゥロ政権との対立が一段と深まっています。
何が発表されたのか:「制裁対象タンカー」の全面封鎖
トランプ氏は米SNS「Truth Social」への投稿で、「ベネズエラに入る、そして出る、すべての制裁対象の石油タンカーを“完全かつ全面的に”封鎖する」と表明しました。対象を「制裁対象の油槽船(タンカー)」としつつ、出入りの双方を封鎖すると明言した点が、今回の強いメッセージになっています。
背景:カリブ海で拡大する米軍展開と「圧力キャンペーン」
記事によれば、米国はここ数カ月、ラテンアメリカの麻薬密輸対策を掲げてカリブ海で大規模な軍事展開を進めてきました。トランプ氏は、カリブ海に集結した米海軍の「大艦隊」には世界最大の空母が含まれるとし、「さらに大きくなる」とも投稿しています。
一方でベネズエラ側は、この作戦を麻薬対策ではなく、マドゥロ大統領を退陣に追い込むための圧力だと受け止めているとされています。
トランプ氏の主張:石油をめぐる要求と非難
トランプ氏は投稿で、ベネズエラが「以前に米国から盗んだ」とする「石油、土地、その他の資産」を米国へ返すよう求めたとされます。また、マドゥロ政権が石油収入を用いて「drug terrorism(麻薬テロ)」「人身売買」「殺人」「誘拐」などを行っていると主張しました。
ベネズエラの反発:「不合理」「自由な通商と航行に違反」
これに対し、カラカス(ベネズエラ政府)は強く反発。政府声明で、封鎖は「絶対的に不合理」であり、自由な通商と航行に違反すると主張しました。さらに、米国が「祖国に属する富を奪う目的で、海上封鎖を課そうとしている」と非難しています。
直近の動き:タンカー拿捕、制裁拡大、空域の警告
記事では、緊張が高まる中での一連の動きとして、次の点が挙げられています。
- 米軍機がベネズエラ沿岸で飛行を繰り返した
- 麻薬密輸に関与したとされる船への攻撃で、90人以上が死亡した
- 先週、米国が南米の当該国を離れる石油タンカーを拿捕し、その後、複数船舶への制裁を発表した
また米連邦航空局(FAA)は現地時間16日、ベネズエラ周辺での軍事活動の活発化を理由に、民間機に「注意」を促す警告を更新しました。文言は先月の警告と同様に、「治安の悪化と軍事活動の高まり」を指摘する内容だったとされています。
航空面の影響:ニアミス報告と回避ルート
警告が出る中、ジェットブルーのパイロットが、ベネズエラ近海で米空軍の空中給油機と衝突しそうになったと証言した事例も紹介されています。航空会社側は米当局に報告したとしています。
こうした警告は、ベネズエラの航空便運航に大きな混乱をもたらし、周辺路線でも同国上空を避ける動きが広がっていると伝えられています。
いま何が焦点になるのか
今回の発表は、海上(タンカー)と空(空域リスク)の双方で、緊張が民間の物流・移動に波及していることを示します。とくに「制裁対象タンカー」という枠組みを掲げつつ、実際の運用がどの範囲に及ぶのか、またカリブ海での軍事活動がどの程度拡大するのかが、今後の焦点になりそうです。
(通信社情報を含む)
Reference(s):
cgtn.com








