インドのモディ首相、エチオピア議会で演説 関係を戦略的パートナーシップへ
インドのナレンドラ・モディ首相が水曜日、エチオピア議会の合同会議で演説し、両国関係を戦略的パートナーシップへと格上げする動きを象徴する一日となりました。
初のエチオピア訪問で異例の栄誉
インドのモディ首相は、初めてのエチオピア訪問中に、同国議会の合同会議で演説しました。外国首脳が合同会議で発言するのは「まれな栄誉」とされ、両国の距離の近さを印象づける場面となりました。
演説前には、議員たちが起立してモディ首相を迎えました。モディ首相は冒頭で「きょうこの場に立てることは大きな特権だと感じています。古い知恵と現代的な志をあわせ持つ国の心臓部、民主主義の神殿に立てて光栄です」と述べ、エチオピアの議会と人々の歩みに敬意を示しました。
貿易・投資から平和まで、演説で示した4つの柱
モディ首相のスピーチは、インドとエチオピアの関係をどう発展させるかという具体的なテーマに重点が置かれていました。首相が強調したキーワードは、次の4つです。
- 貿易と投資
- 包摂的な開発(インクルーシブ・ディベロップメント)
- 誰もがアクセスできる技術
- 世界の平和
インドが重視してきた開発とデジタル技術、そして国際社会での安定への貢献を、アフリカの重要なパートナーであるエチオピアとの関係にも広げていくというメッセージが込められていると言えます。
関係を戦略的パートナーシップへ格上げ
今回の訪問に合わせて、インドとエチオピアは二国間関係を戦略的パートナーシップの水準へ引き上げることで合意しました。モディ首相は、この格上げによって両国関係に「新たなエネルギーと推進力、そして深み」が加わると述べています。
両国の協議では、とくに次の分野で関係を強化する方針が確認されました。
- 政治・経済関係の一層の深化
- 貿易と投資の拡大
- 経済・技術・防衛分野での協力強化
インドとエチオピアはともに新興経済国グループのBRICSに属しており、今回の合意は、その枠組みの中での連携にも影響を与える可能性があります。
奨学金倍増で「人のつながり」を強める
モディ首相は演説の中で、インドで学びたいエチオピアの学生に対する奨学金を倍増すると発表しました。教育や人材交流への投資は、短期的な経済効果だけではなく、長期的な信頼関係の土台を築くものです。
エチオピアからインドへ留学する若者が増えれば、将来のビジネスや技術協力、さらには文化的な相互理解を支えるネットワークが少しずつ広がっていくことになります。首脳同士の合意を、人と人のつながりへと具体化していく一歩とも言えます。
「平等」と「南南協力」を掲げるエチオピア側のメッセージ
エチオピア側も今回の訪問を歓迎しています。アビー・アハメド氏は、インドとの協力は「平等とサウス・サウス・ソリダリティ(南南協力の連帯)」に根ざしていると述べました。そのうえで、主権、自立、そして実践的な協力を重視する姿勢を強調しました。
これは、いわゆるグローバル・サウスの国と地域同士が、互いを対等なパートナーとして位置づけながら、自らの発展の道を模索していくというメッセージとして読むこともできます。インドとエチオピアが共にBRICSの一員であることも、こうした対話の背景にあります。
エチオピア訪問の締めくくり、次の訪問地はオマーンに
モディ首相は水曜日にエチオピアでの日程を終える予定で、その後はオマーンへ向かうとインド外務省が明らかにしています。東アフリカのエチオピアから湾岸地域のオマーンへと向かう今回の外遊ルートは、インドが複数の地域で同時に関係強化を進めていることをうかがわせます。
静かに進む「グローバル・サウス外交」
今回のエチオピア議会での演説は、派手なスローガンよりも、具体的な協力メニューと尊重の言葉が前面に出た点が特徴的でした。民主主義の歩みへの敬意、包摂的な開発、アクセスしやすい技術、そして世界の平和というテーマは、他の国や地域にも共有されうるキーワードです。
2025年の国際環境の中で、インドとエチオピアが戦略的パートナーシップへと関係を深めていくことは、アジアとアフリカ、そしてグローバル・サウス全体の関係のあり方を考える一つの材料になります。今回の演説と合意が、今後どのような具体的なプロジェクトや交流へと結びついていくのか、静かに注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








