ベネズエラ、米「海上封鎖」命令を国際法違反と批判 カリブ海の航行自由めぐり緊張
米国のドナルド・トランプ大統領がベネズエラに対する「海上封鎖」を命じたとされる動きを受け、ベネズエラ側が国際法違反だとして強く反発しています。自由な航行と貿易の原則、そしてエネルギーをめぐる思惑が交差し、カリブ海周辺の緊張が高まっています。
何が起きたのか:米「海上封鎖」命令にベネズエラが反発
報道によると、ベネズエラは水曜日、トランプ大統領による海上封鎖の命令を「重大で無謀な動き」であり、国際法に反するとして拒否しました。
また、命令の翌日、与党・ベネズエラ統一社会党(PSUV)は声明を出し、今回の措置は自由貿易と航行の自由の原則に反すると主張。米国の真の目的は、ベネズエラのエネルギーや天然資源を「取り込むこと」だと述べました。
ベネズエラ国防相「カリブ海は単独支配の海ではない」
ベネズエラのウラジーミル・パドリーノ・ロペス国防相は水曜日の記者会見で、米側の動きは「desperation(絶望・焦り)」を示していると述べ、トランプ大統領の発表を「delusional(妄想的)」と表現しました。
同国防相は、カリブ海は航行の自由、協力、貿易に関する国際法によって統治されるべきで、特定の一国が排他的に支配する地域ではない、という認識を示しています。
さらに、米大統領が「我々は地中の石油を盗んでいる」と述べたとされる点について、「完全に支離滅裂だ」と反論。圧力や敵対姿勢の背景に、ベネズエラ産原油を掌握する意図があると主張しました。
街頭でも反発:首都カラカスで集会、結束を呼びかけ
同じ水曜日、首都カラカスでは数千人規模の集会が行われ、「海上封鎖の脅威」を拒否し、国家主権への支持を訴えたとされています。
カラカス市長のカルメン・メレンデス氏は、状況が危険な段階へ進んでいるとして、組織化されたコミュニティの結束を呼びかけました。発言では、地域共同体(コミューン)が声を上げるべきだとも述べています。
メキシコ大統領は国連に「平和的解決」を要請
地域の反応として、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は水曜日、国連に対し紛争の平和的解決を求め、米国がベネズエラで戦争に向かうことを防ぐよう呼びかけたと報じられています。
「海上封鎖」が持つ重み:航行の自由とエネルギー安全保障
一般に、海上封鎖は他国への海上交通を軍事的に制限する措置を指し、貿易や物流に直結します。今回、ベネズエラ側が「航行の自由」や「自由貿易」の原則を前面に出して反発しているのは、カリブ海のシーレーン(海上輸送路)が地域経済とエネルギー供給に影響しうるためです。
パドリーノ国防相は、米側の「法を顧みない行動」が中南米・カリブ地域の安定だけでなく、世界のエネルギー安全保障にも現実的なリスクをもたらしうる、とも述べています。
今後の焦点:外交の場で何が問われるか
- 国際法上の位置づけ:航行の自由や通商への影響をどう整理するのか
- 地域の拡大抑止:周辺国や国際機関が緊張緩和にどう関与するのか
- エネルギーと制裁・圧力の連動:供給不安や市場心理への波及が出るのか
言葉の応酬が強まる局面ほど、当事者がどの場で、どのルールを根拠に主張を組み立てるのかが、次の展開を左右します。現時点(2025年12月)では、海上の実務と外交の両面で、緊張をこれ以上エスカレートさせない回路が保たれるかが注目点になりそうです。
Reference(s):
Venezuela slams U.S. maritime blockade as violation of intl law
cgtn.com








