2025年、深まる人道危機 支援削減の中で取り残されるスーダンとガザ
2025年が終わりに近づくなか、世界の人道危機はむしろ深刻さを増しています。スーダンやガザ地区では、何千万人もの人が支援を必要とする一方で、2025年には国際援助が記録的な規模で削減され、ニーズと資金のギャップが広がっています。
2025年末、広がる支援ギャップ
紛争や不安定な情勢が続く地域では、食料や医療、水、教育といった基本的なサービスへのアクセスが急速に失われています。今年の特徴は、その危機の深刻さと比べて、国際社会からの資金と人道支援が追いついていないことです。
援助機関の関係者の間では、限られた予算をどこに振り向けるかという難しい選択が迫られています。その結果、一部の危機は世界の注目を集める一方で、別の危機は取り残される構図が強まりつつあります。
最も顧みられない危機、スーダン
最近の援助機関への調査では、スーダンが今年最も顧みられない危機として挙げられました。国内ではおよそ3,000万人が何らかの支援を必要としているとされ、長引く紛争と支援物資の搬入を妨げる封鎖が状況を悪化させています。
スーダンの内戦は3年目に入り、同国は各種の危機ウォッチリストで常に最上位に並ぶ存在となりました。国際救援委員会(International Rescue Committee)は、スーダンを3年連続で世界最悪の人道危機に位置づけ、これまで記録された中で最大の危機と表現しています。
1,400万人以上が家を追われた内戦
スーダン政府軍と準軍事組織である即応支援部隊(Rapid Support Forces、RSF)の戦闘は激しさを増し、1,400万人以上が国内外で避難を強いられています。戦闘によって数万人規模の犠牲者が出ているほか、道路や電力網、病院などのインフラが損なわれ、市民生活の土台そのものが揺らいでいます。
国連の最近の報告では、避難民キャンプで多数の住民が殺害される事件や、ダルフールやコルドファンなど各地での暴力の激化が指摘されています。無人機による攻撃や医療施設への攻撃が相次ぎ、避難先でも人々の安全が守られていない実態が浮かび上がります。
食料、教育、医療…全方位で進む崩壊
約5,200万人が暮らすスーダンでは、複数の危機が同時に進行しています。国連の数字によれば、2,100万人以上が十分な食料を確保できず、430万人が国外へ逃れました。さらに、およそ1,000万人の子どもたちが学校に通えない状況に置かれています。
コレラなどの感染症の流行や、広範な子どもの栄養失調といった保健上の緊急事態も相次いでいます。もともと脆弱だった医療体制は、施設への攻撃や医療従事者の不足で限界まで追い込まれており、命を守るための最前線が崩れつつあります。
41.6億ドル規模の支援計画も資金不足
こうした状況を受けて、国連などはおよそ41億6,000万ドル規模(4.16 billionドル)の人道支援計画を打ち出しましたが、十分な資金は集まっていません。必要額に届かないため、多くの地域では食料配布の回数が減らされたり、医療や給水といった基礎的なサービスさえ維持できなかったりするケースが出ています。
治安の悪化や封鎖によって支援チームが現場に入れない地域も多く、資金不足とアクセス制限が重なり、支援が届かない人々が増え続けています。
ガザ地区でも続く人道状況の悪化
スーダンの危機が深刻さを増す一方で、ガザ地区でも長年続くイスラエルとハマスの戦闘の影響で、人道状況の悪化が報告されています。生活インフラの破壊や移動の制限が重なり、特に子どもや妊産婦の脆弱性が高まっています。
国連の最近のデータによると、2025年10月だけで急性栄養失調の治療を受けた子どもは1万人近くに上ります。この数字は前の月より少ないものの、依然として非常に高い水準です。また、数百人規模の妊婦や授乳中の女性も、深刻な栄養不足への対応を受けているとされています。
ガザ地区では、長く続く危機の結果として、医療や公衆衛生の体制が疲弊しています。栄養失調は単なる食べ物の不足ではなく、治療薬や安全な水、安定した電力といった複数の要素が欠ける中で深刻化しやすいとされています。
静かに問われる関心と優先順位
援助機関への調査でスーダンが最も顧みられない危機とされた背景には、資金不足だけでなく、国際社会やメディアの関心の偏りもあります。世界のニュースを見渡すと、同時に複数の危機が進行する中で、どこに光が当たり、どこが影に隠れてしまうのかという問題が浮かび上がります。
ガザ地区のように注目度の高い紛争であっても、現場の人々が必要とする医療や栄養支援が十分に行き渡っているわけではありません。スーダンのように相対的に報じられる機会が少ない危機では、そのギャップはさらに大きくなりがちです。
ニュースをスクロールしていると、一つひとつの数字の重さを実感するのは簡単ではありません。それでも、2025年という節目の年に、スーダンとガザで起きている人道危機は、限られた資源の中で誰のいのちをどのように守るのかという難しい問いを静かに投げかけています。
Reference(s):
Global humanitarian crises deepen amid record aid cuts in 2025
cgtn.com








