イスラエルとレバノン、ヒズボラ武装解除めぐり協議 停戦下の国境は次の段階へ
2025年12月19日、イスラエルとレバノンが安全保障対話の一環として協議を行い、ヒズボラの武装解除と、レバノン南部国境地帯の住民帰還が主要議題となりました。停戦は続く一方、散発的な攻撃も報じられるなかでの対話再開は、国境の「次の段階」を占う動きとして注目されています。
協議は国境近くナクーラで、米国が調整
協議は、レバノン南西部の町ナクーラで開催されました。場所はイスラエル北部国境に近く、今回は米国の調整の下で行われたとされています。
代表者は、イスラエル側が国家安全保障会議(NSC)で外交政策担当の副局長ヨセフ・ドレズニン氏、レバノン側が元駐米大使のサイモン・カラム氏でした。
焦点は「武装解除」と「帰還」—同じ会議で交差する優先順位
イスラエル側の発表によると、協議の中心はヒズボラの武装解除に置かれ、加えて経済プロジェクトの前進も議題になったといいます。国境両側のコミュニティの長期的な安全確保に関心がある、という説明でした。
一方、レバノン大統領府の声明では、カラム氏が「避難した村の住民が安全に自宅へ戻れるようにすること」は人道上・国家として重要だというレバノンの立場を強調したとされています。
同じテーブルでも、
- イスラエル側は脅威の低減(武装解除)
- レバノン側は生活の回復(安全な帰還)
という優先順位が交差している構図が浮かびます。
停戦は継続、それでも「散発的な攻撃」が残す緊張
両者の間では、2024年11月27日から停戦合意が発効しているとされています。ただし合意後も、イスラエルはレバノンへの散発的な攻撃を続けており、目的はヒズボラの脅威排除だと説明しています。
停戦が続いていても、現場での不安が完全に解消されない限り、住民帰還や経済活動の再開は「進めたくても進めにくい」局面になりがちです。今回の協議は、そのねじれをどうほどくかが問われる場とも言えます。
「今月初」の直接協議に続く動き—関係の地ならしは進むのか
今月に入り、両国はナクーラで初の直接協議も行ったとされています。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は当時、イスラエルとレバノンの「関係と経済協力の土台作りの最初の試み」だと位置づけたと伝えられました。
今回の協議でも経済プロジェクトが議題に入った点は、治安だけでなく、生活や復興に関わる領域へ論点を広げたい意図がにじみます。もっとも、武装解除や安全確保といった核心が前進しない限り、経済面の合意も実行段階で足踏みする可能性は残ります。
今後の見通し:合意の「紙」から、暮らしの「実感」へ
今後の焦点は、
- 住民が戻れるだけの安全環境をどう作るか
- 停戦を損なう散発的な攻撃や緊張をどう抑えるか
- 安全保障と経済・復興を同時に進める枠組みを持てるか
に集約されそうです。協議が継続し、具体的な安全措置や帰還プロセスに落ちるのか。それとも、相互不信が再び前面に出るのか。国境の静けさが「日常」に変わるかどうかは、これからの積み重ねに委ねられています。
Reference(s):
cgtn.com








