米国、マドゥロ政権支援とされる関係者に追加制裁 Citgo保護は2026年2月まで
米国がベネズエラのマドゥロ政権への圧力をさらに強めています。2025年12月19日(現地時間の金曜日)、米財務省はマドゥロ=フローレス家の親族や関係者を新たに制裁対象に加えたと発表しました。同じ日に、ベネズエラ所有の米製油会社Citgo Petroleumを債権者から保護する一般ライセンスも延長しています。
今回の発表のポイント(追加制裁とCitgo保護)
- 追加制裁:マドゥロ=フローレス家の親族・関係者を複数名指定し、マドゥロ政権を支えるネットワークを標的に。
- Citgoの一般ライセンス延長:期限が12月20日に迫っていた保護措置を、2026年2月3日まで延長(ただし延長期間は前回より短め)。
米財務省が示した理由:違法薬物対策と「支援ネットワーク」
米財務省のスコット・ベッセント長官は声明で、今回の制裁がマドゥロ政権を支える人々に向けたものだという趣旨を述べ、違法薬物の米国への流入を問題視しました。また、トランプ政権が今後もマドゥロ政権を支えるネットワークを標的にしていく方針だとしています。
誰が制裁対象に? 焦点はマドゥロ大統領夫人の親族側
米側発表によると、今回の制裁は、マドゥロ大統領の妻シリア・フローレス氏の甥にあたるカルロス・エリク・マルピカ・フローレス氏の親族に及びました。米国はマルピカ・フローレス氏が国営石油会社PDVSAでの汚職計画に関与したと主張しており、同氏は先週すでに制裁対象になっていました。
12月19日の追加指定では、同氏の母(フローレス氏の姉)、父、姉、妻、娘も制裁対象に含まれたとされています。
圧力強化は「経済」だけではない:南カリブでの動きと発言
記事内の説明では、ここ数カ月、トランプ大統領の政権がマドゥロ政権への圧力を段階的に強めてきたとされています。具体例として、南カリブでの大規模な軍事的増強や、同地域での「麻薬関連が疑われる船舶」への攻撃、ベネズエラ沖での制裁対象タンカーの拿捕、そして制裁対象の石油タンカーの出入りに関する「封鎖(ブロッケード)」の宣言が挙げられています。
さらにトランプ大統領は、ベネズエラ国内での地上攻撃が近く行われるとの趣旨の発言を繰り返し、木曜日にはベネズエラとの戦争の可能性を否定しないとも述べた、とされています。
Citgo保護の延長:期限は「2026年2月3日」まで
米財務省は12月19日、Citgo Petroleumを債権者から守る一般ライセンスを延長しました。もともとの期限は2025年12月20日で、今回の延長により2026年2月3日まで保護されます。
なお、今回の延長は、2025年6月に出された「6カ月延長」より短い期間とされています。一般ライセンスは、Citgo株式を担保とするベネズエラ発行債に関する取引を一時的に禁じる内容も含む、と説明されています。
Citgoをめぐる「売却」と米財務省の承認待ち
Citgoは米国の土壌で製油所を運営し、米エネルギーシステムに深く組み込まれているとされています。米当局者は近年、Citgo保護の狙いについて、ベネズエラ政府を守るためではなく、米国内の戦略的なエネルギー資産を守り、政策上のレバレッジ(交渉上の余地)を維持するためだと主張してきた、という文脈も示されています。
また、2025年11月には米判事が、Citgoの親会社(PDV Holding)の株式売却を、エリオット・インベストメント・マネジメントの関連会社に認める決定を出したとされています。裁判所主導のオークションで59億ドルの入札が承認され、債務不履行や収用をめぐる債権者への補償を目的とした手続きの「最終段階」に位置付けられています。ただし、この売却命令は米財務省の承認待ちとされています。
ベネズエラ側の反応:否定と主張
ベネズエラの情報省は、コメント要請に直ちには応じなかったとされています。一方でマドゥロ大統領と政権は、犯罪とのつながりを強く否定しており、米国がベネズエラの豊富な石油資源を掌握するために政権交代を狙っているのだ、という立場を示していると説明されています。
今後の焦点:制裁の広がりとCitgoの「次の期限」
- 追加制裁の範囲:米国が「支援ネットワーク」とみなす対象がどこまで拡大するか。
- Citgo保護の期限:一般ライセンスは2026年2月3日まで。次の延長判断が市場にも影響し得ます。
- 売却の行方:裁判所手続きの節目を経た売却が、米財務省の承認でどう動くか。
- 地域の緊張:軍事的動きや強い発言が続く中、偶発的なエスカレーションをどう抑えるか。
Reference(s):
U.S. sanctions more individuals allegedly supporting Maduro's rule
cgtn.com








