ガザ暫定統治へ「平和評議会」構想、米特使が4カ国支持を表明
ガザ停戦の「次の段階」を見据え、米国・エジプト・カタール・トルコの4カ国が、ガザの暫定統治として「平和評議会(Board of Peace)」を近く立ち上げる構想に支持を示したと、米大統領特使のスティーブ・ウィトコフ氏が説明しました。停戦合意が続く一方で攻撃や死傷者も報告されており、統治と治安をどう設計するかが焦点になっています。
マイアミ協議で確認された「第1段階」と「第2段階」
ウィトコフ氏によると、4カ国の代表は米フロリダ州マイアミで(現地時間)12月19日に協議し、ガザ停戦の第1段階の実施状況を点検しました。さらに、今後数週間にわたって協議を継続し、第2段階の実施を前に進める方針だとしています(同氏が12月20日にXで発信)。
「平和評議会」とは何を担うのか
今回の発信で中心に置かれたのが、「平和評議会(Board of Peace)」をガザの暫定的な行政(トランジショナル・アドミニストレーション)として早期に設立し、実際に運用していくという枠組みです。
ウィトコフ氏は第2段階の議論として、次の点を強調したとしています。
- ガザで「統一されたガザの権限(unified Gazan authority)」の下に統治機構を可能にすること
- 民間人の保護
- 公共の秩序の維持
停戦が「戦闘を止める合意」だとしても、日々の生活を支える行政、治安、物資の配分が機能しなければ、現場の不安定さは残ります。暫定統治の議論は、その空白をどう埋めるかという実務に踏み込んだものと言えます。
停戦「第1段階」の進捗として挙げられた点
ウィトコフ氏は、第1段階での前進として以下を列挙しました。
- 人道支援の拡大
- 人質の遺体の返還
- 部隊の部分的な撤収
- 敵対行為の減少
一方で、これらは「改善の兆し」であっても、停戦が日常の安全を自動的に保証するわけではありません。次の段階で統治と監視の仕組みをどう整えるかが、合意の持続性に直結します。
「監視」と「安定化部隊」――外側の支えをどう置くか
ウィトコフ氏は、4カ国が各当事者に対し、義務の順守、自制、そして監視体制への協力を求めたと述べています。停戦が破綻しやすい局面ほど、合意違反の検証や連絡調整の経路が重要になります。
また、米国のマルコ・ルビオ国務長官は12月19日、各国が安定化部隊(stabilization force)への部隊提供に関与することへ期待を示しつつ、ハマスの武装解除を求め、「それがなければプロセスが崩れる」と警告したと伝えられています。暫定統治の構想は、現場の治安や武装勢力の扱いという難題と切り離せないことがうかがえます。
停戦下でも続く攻撃と死傷者報告
記事情報によると、イスラエルとハマスの最新の停戦は10月に発効した一方で、イスラエルはガザで攻撃を継続しているとされています。ガザの民間防衛当局は、12月19日に避難所への砲撃で6人が死亡し、合意発効後にイスラエルの攻撃で死亡したパレスチナ人は400人に上ると発表したと伝えられました。
一方で、イスラエル側もハマスが休戦に違反していると繰り返し主張しており、軍は10月以降に同地域で自軍兵士3人が死亡したと報告したとされています。
「停戦があるのに犠牲が出る」という現実は、合意文書だけでは埋めにくい現場の緊張を映します。だからこそ、暫定統治と監視、治安の枠組みが同時に議論されている、という見方も成り立ちます。
今後数週間の焦点:第2段階の実装と“統治の空白”
ウィトコフ氏は、今後数週間に協議を重ねて第2段階の実施を進めるとしています。今後の焦点は、次のように整理できます。
- 「平和評議会」を含む暫定統治が、どの権限と責任範囲を持つのか
- 民間人保護と公共秩序の維持を、誰がどの手段で担保するのか
- 合意順守を支える監視・連絡の仕組みを、当事者がどこまで受け入れるのか
- 安定化部隊や武装解除をめぐる、各国・各勢力の折り合い
停戦の「次」に必要なのは、静かな制度設計と現場の実行力です。12月の協議が、戦闘の抑制だけでなく、ガザの日々の安全と行政の形にどうつながっていくのかが注目されます。
Reference(s):
Witkoff says parties support transitional administration in Gaza
cgtn.com








