トランプ氏、2026年に移民取締り拡大へ 職場摘発も焦点に
米国のドナルド・トランプ大統領が、2026年に移民取締りを一段と強化する構えです。2025年7月に成立した大型の歳出法により、移民当局に巨額の追加予算がつき、これまで慎重だった職場への摘発が焦点として浮上しています。一方で、2026年の中間選挙を前に反発も広がりつつあります。
2026年に向けた「資金」と「体制」の拡大
共和党が多数を握る議会が2025年7月に可決した歳出法では、米移民・税関捜査局(ICE)と米国境警備隊に対し、2029年9月までに追加で1700億ドルが配分されるとされています。両機関の年間予算(合計で約190億ドル)と比べても大幅な増額で、執行能力そのものを底上げする設計です。
政権側は追加資金の使途として、主に次のような項目を挙げています。
- 捜査官の大規模増員(数千人規模の採用)
- 新たな収容施設(拘束・収容のための施設)の整備
- 地域の拘置所(ローカルの留置施設)での身元特定と拘束の強化
- 民間企業との連携による、在留資格のない人の所在把握・追跡
2025年は「都市部中心」、2026年は「職場」へ
トランプ政権はすでに2025年、移民捜査官を米国の主要都市に増派し、近隣地区での一斉捜査が実施されたと伝えられています。住民との摩擦も起きたとされ、治安・人権・地域コミュニティの観点から議論が強まりました。
2025年中にも企業への目立つ摘発は複数回あった一方で、農場や工場など、経済的に重要であるものの在留資格のない移民が働いていると指摘されがちな分野への踏み込みは、これまで限定的だったとされています。政権が2026年に「職場」に重心を移せば、逮捕者数が増える可能性があり、現場の雇用にも波及しかねません。
広がる反発と、2026年中間選挙の空気
取締り拡大の背景には、政権が掲げる強硬な移民政策の路線があります。ただ、政治的な反発も強まりつつあるとされます。報道によれば、移民政策に関するトランプ氏の支持率は、主要都市での取締り強化前の2025年3月に50%だったものが、2025年12月中旬には41%まで低下したとされています。
中間選挙は2026年11月に予定されており、取締りの「見える化」が進むほど、支持の固め直しになるのか、逆に反発を増幅させるのか。政権にとって難しい局面になりそうです。
一時的な在留資格の取り消しで「対象」が広がる
政権は、ハイチ、ベネズエラ、アフガニスタン出身者を含む数十万人規模について、一時的な合法的地位を取り消したとされています。これにより、強制送還の対象になり得る人が増える構図です。
トランプ氏は「毎年100万人の移民を排除する」との目標を掲げている一方、報道では、2025年はその目標に届かない見通しともされています。就任した2025年1月以降の強制送還は、これまでに約62万2000人と伝えられています。
「不法滞在」だけでなく、合法移民にも波紋
今回の動きで注目されるのは、在留資格のない人だけでなく、合法的な手続きの最中にある人々にも影響が及んでいるとされる点です。報道では、次のような事例が挙げられています。
- 米国市民の配偶者が、グリーンカード面接の場で逮捕された
- 特定の国の出身者が、帰化式典の直前に会場から外された
- 学生ビザが大量に取り消された
手続きの場が「執行の場」にもなり得る状況は、移民コミュニティだけでなく、雇用主、教育機関、地域社会にも緊張をもたらします。
職場摘発がもたらす「人手」と「物価」の連鎖
2026年に職場摘発が増えた場合、逮捕・拘束された労働者の穴を埋めるために企業が人員確保に動き、賃金や人件費の上昇につながる可能性があります。これは、政権が課題としてきたインフレ(物価上昇)対策と、緊張関係になり得る点です。
取締りの強化は「法の執行」という軸で説明されがちですが、実際には、地域の雇用、供給網、家計の負担感、そして選挙の争点にまでつながっていく——2026年は、その連鎖が見えやすい年になるのかもしれません。
Reference(s):
Trump to expand immigration enforcement in 2026 amid growing backlash
cgtn.com








