核兵器をめぐる発言が波紋を広げる中、被爆地・広島が「非核三原則を守ってほしい」と国に求めました。日本の安全保障議論が揺れるいま、地域の声がどんな意味を持つのかが注目されています。
広島県が政府に「非核三原則の堅持」を要請
広島県は2025年12月22日(月)、国に対して非核三原則の堅持を求める声明(意見書)を出しました。共同通信によると、広島県議会が書面の意見を全会一致で採択したものです。
背景には、政府の安全保障政策に関わる関係者が「日本は核兵器を保有すべきだ」と述べたことがあり、地元では被爆者を含む住民から反発の声が出ていました。
非核三原則とは何か(今回の論点)
意見書が懸念を示したのは、長年続いてきた「非核三原則」の見直し議論です。非核三原則は、次の3つを掲げています。
- 核兵器を持たず
- 核兵器を作らず
- 核兵器を持ち込ませず(日本の領域への導入を認めない)
意見書には、「被爆の経験を持つ国として、核兵器のない世界の実現に向けて努力を続けるのは責務だ」とする趣旨が盛り込まれたとされています。
発端は「核保有」発言、党内からは「議論が必要」との声も
今回の意見書は、首相が高市早苗氏の政権下で安全保障政策の立案に関わる関係者が、最近「日本は核兵器を保有すべきだ」と述べたことを受けた動きです。発言は地元で反発を招き、被爆者を含む住民の懸念が高まりました。
一方で、与党・自由民主党の安全保障調査会長である小野寺五典氏は、2025年12月21日(日)のテレビ番組で、非核三原則の今後について「議論が必要だ」との認識を示したと報じられています。
「見直し」の焦点は第3原則 2026年末までの安保文書改定とも連動
共同通信によると、先月(2025年11月)、日本のメディアは政府筋の話として、高市政権が2026年末までに主要な国家安全保障文書の改定を進める中で、首相が非核三原則のうち第3原則(核兵器を日本の領域に持ち込ませない)を見直すことを検討していると伝えました。これに対し、国内で疑問や懸念が強まっているとされています。
被爆地の「初の意見書」が示すもの
今回の意見書は、広島・長崎という被爆地の地方議会が、非核三原則の再検討をめぐって示した初の書面意見だと報じられています。核兵器をめぐる言葉が政策論争の一部として扱われやすい局面だからこそ、「生活の記憶」と結びついた土地からのメッセージは、重く受け止められそうです。
今後、国の安全保障文書改定の議論が進むにつれ、非核三原則を「維持するのか」「見直すのか」だけでなく、どのような言葉で社会に説明し、どのように合意形成を図るのかも問われていきます。
Reference(s):
Hiroshima urges Japanese government to uphold non-nuclear principles
cgtn.com








