ロシア「米が核実験なら同等に対応」新STARTの枠組み巡り緊張
米国の核実験再開が現実味を帯びれば、唯一の現行核軍備管理枠組みである新START(新戦略兵器削減条約)をめぐる均衡が揺らぎかねない——ロシア側が「同等の対応」を明言し、神経質な駆け引きが強まっています。
何が起きたのか:ロシア外務次官が「同等に対応」と発言
ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は週明けの月曜日、米国が核実験を再開した場合、ロシアも「同等(in kind)」に対応するとの考えを示しました。
あわせて同次官は、ロシアが提起している新STARTの期限到来後も「中核的な制限(core limits)」を継続して順守する案について、米国側がこれまで反応していないとも述べたとされています。
焦点は「核実験」と「新STARTの中核制限」
新STARTとは:配備核弾頭と運搬手段に上限を設ける条約
新STARTは2010年にロシアと米国が署名した条約で、配備された核弾頭数や戦略核の運搬手段(ミサイルや爆撃機など)に上限を設けます。報道によれば、同条約は両国間で唯一稼働している核軍備管理の合意と位置付けられています。
条約は2021年2月に5年間の延長が正式に行われたとされています。
期限後1年の「中核制限」継続案:9月のプーチン大統領発言
報道によると、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月下旬の安全保障会議で、米国が既存の均衡を損なう行動を控えるなら、条約の期限後も1年間は中核的な制限を順守する考えを示しました。
今回のリャブコフ氏の発言は、こうした「制限の延命」提案に米国が応じていない、という不満とセットで語られています。
米側の動き:トランプ氏の核実験発言と、ルビオ氏をめぐるロシアの警戒
一方で、報道ではドナルド・トランプ米大統領が、他国と同様に米国も核兵器の実験を行うと述べた一方、核弾頭の爆発(起爆)を含むかどうかは明らかにしなかったとされています。
さらに、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は定例の電話会見で、米国務長官マルコ・ルビオ氏に関連する発言や意図についてロシア側が評価していると説明。もし米国が核実験に踏み切れば、ロシアは「対応する行動を取らざるを得ない」との認識を示したと伝えられました。
今後の注目点:言葉の応酬が「行動」に移るのか
現時点で見えている争点は大きく2つです。ひとつは核実験を実際に行うのか、もうひとつは新STARTの中核制限を期限後もどう扱うのかです。
- 米国がロシアの「中核制限の継続」提案に応じるか(対話の糸口が残るのか)
- 核実験をめぐる発言が、具体的な手続きや準備に進むか
- 相互の「対応措置」発言が、抑止なのかエスカレーションなのか
新華社の入力を含む報道として伝えられた今回の一連のコメントは、条約の枠組みが先細る局面で、核戦力の「見え方」をどう保つのかという難題を浮かび上がらせています。静かな言い回しほど、次の一手を読みづらくする——そんな局面に入っているのかもしれません。
Reference(s):
Russia to respond in kind if U.S. conducts nuclear tests: deputy FM
cgtn.com








