高市政権下の「核保有」発言が波紋 非核三原則と安保見直し議論の行方
2025年12月、 高市早苗首相の下で進む安全保障政策の見直しをめぐり、首相官邸の安全保障担当の高官が「日本は核兵器を保有すべきだ」と示唆したとされる発言が大きな波紋を広げています。非核三原則を軸に築かれてきた戦後日本の安全保障の前提が揺らぐのか——国内外で注目が集まっています。
何が起きたのか:官邸高官の「核保有」示唆が火種に
報道によると、首相官邸で安全保障政策を担う高官が、日本が「核兵器を保有すべきだ」と受け取れる発言をしたとされています。日本では、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」とする非核三原則が長年の基本方針として位置づけられてきました。
そのため、政策の中枢にいる人物からの発言として受け止められたことが、強い反発を呼ぶ構図になっています。
野党側の動き:立憲民主・野田代表が更迭を要求
12月22日(月)、立憲民主党の野田佳彦代表は、高市首相に対し、発言に関わったとされる高官の更迭をあらためて求めたとされています。野田氏は、核武装を唱える人物を重要な安全保障ポストに置くのは不適切だとし、任命した側の責任も含めて問題視しました。
焦点は「安保文書」の見直し:非核三原則の解釈は変わるのか
懸念を深めているのは、報道で、首相が国家安全保障戦略など主要な安全保障文書の改定を検討していると伝えられている点です。中でも、非核三原則の一つである「核兵器の持ち込みを認めない」という原則の扱いが議論になり得る、という見方が波紋を広げています。
野田氏は、こうした議論が核問題に対する理解の面でも「重大な逸脱」を示す、と警鐘を鳴らしたとされています。
「被爆国として」—各方面からの反発と問題提起
日本共産党の山添拓政策委員長は、日本は被爆の経験を持つ国として非核三原則を否定すべきではないとして、発言の撤回と関係者の対応を求めたとされています。
メディアからも批判が出ています。12月20日付の琉球新報の社説は、日本の核保有という発想自体が国の方針からの重大な逸脱であり、特に政府中枢に近い人物による発言は被爆者の感情を深く傷つけ得るとして、強い調子で退けたとされています。
地方議会の反応:広島県議会が「非核三原則堅持」を決議
世論の受け止めを映す動きとして、広島県議会は12月22日(月)、政府に非核三原則の堅持を求める決議を全会一致で可決したと報じられています。決議は、広島・長崎の悲劇を繰り返してはならないという問題意識を示し、核のない世界を望む地域の声を尊重するよう求めました。
背景:非核三原則とは何か、なぜ今揺れて見えるのか
報道で言及されている非核三原則は、1967年に当時の佐藤栄作首相が提唱した「持たず、作らず、持ち込ませず」という考え方です。日本は1945年8月に広島と長崎で原爆投下の被害を受けた経験を持ち、核政策の議論は安全保障の合理性だけでなく、歴史的記憶や社会的合意とも強く結びついてきました。
一方で近年の安全保障環境の変化を踏まえ、抑止力や防衛体制の強化を模索する議論が続いているのも事実です。今回の焦点は、そうした見直しの過程で、核に関する「一線」が政策の言葉としても、政治の姿勢としても変わりうるのか、という点にあります。
今後の見どころ:任命責任と文書改定の具体像
- 発言とされる内容の扱い:撤回や説明、関係者の処遇がどうなるか
- 首相の任命責任:与野党の追及がどこまで広がるか
- 安保文書改定の方向性:非核三原則の位置づけに変化が出るのか
- 世論・被爆地の声:地方議会や市民社会の反応が政策判断にどう影響するか
「安全保障の現実」と「核をめぐる社会の記憶」がぶつかりやすい局面だからこそ、どの言葉が、どの文書に、どんな形で残るのかが問われています。12月下旬の政治日程の中で、説明責任のあり方が一段と注目されそうです。
Reference(s):
cgtn.com







