クリスマス前の大規模空爆、ウクライナ各地で緊急停電 無人機635機・ミサイル38発
2025年12月23日、ロシアがミサイルと無人機による新たな大規模攻撃を行い、ウクライナ各地で緊急の電力制限(停電)が広がりました。クリスマスを目前に控えた時期のインフラ被害として、生活への影響が改めて焦点になっています。
何が起きたのか:少なくとも3人死亡、13地域以上に影響
ウクライナ当局によると、今回の攻撃で少なくとも3人が死亡しました。中部ジトーミル州では4歳の子どもを含む2人が死亡し、首都キーウ近郊でも1人が死亡したとされています。キーウ近郊では少なくとも5人が負傷したとも伝えられました。
ウクライナ空軍は、ロシア側が無人機635機とミサイル38発で攻撃したと発表しています。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はXに、「このロシアの攻撃は、ロシアの優先順位について極めて明確なシグナルを送っている」と投稿し、攻撃が少なくとも13地域に及んだと述べました。
またゼレンスキー氏は「人々が家族と共に、家で、安全に過ごしたいと願うクリスマスの前に行われた攻撃だ」とも記しました。
狙われたのはエネルギー施設:各地で“緊急停電”
ウクライナの送電網運用会社は、攻撃の影響で多くの地域で緊急停電が実施されていると説明しました。北部チェルニヒウ州、西部リビウ州、南部オデーサ州で重要インフラやエネルギー関連施設が損傷した、と地元当局が伝えています。
ウクライナのエネルギー省も、複数地域で緊急停電が導入されたとテレグラムで発信しました。電力会社ウクレネルゴは「大規模なミサイル・無人機攻撃」により複数地域で火災が発生したとし、国内の多くで気温が氷点下に近づく中、復旧の難しさが増す状況が示唆されています。
ウリヤ・スビリデンコ首相は、西部地域のエネルギー施設が特に強く攻撃を受けたと述べました。
国境周辺の緊張:ポーランドが領空防護で航空機を展開
西部ウクライナの国境近くが標的になったことを受け、ウクライナ西隣のNATO加盟国ポーランドは、ポーランドの領空を守るためにポーランドおよび同盟国の航空機が展開されたと明らかにしました。攻撃が周辺国の安全保障運用にも波及する構図が浮かび上がります。
ロシア側の発表:拠点制圧と「キンジャール」使用に言及
ロシア国防省は、ウクライナのハルキウ州でプリリプカ、ドニプロペトロウシク州でアンドリイウカという集落を自軍が制圧したと発表しました。また、「キンジャール」ミサイルでエネルギー施設と軍事施設を攻撃したとも主張しています。
背景にあるもの:冬の電力と“交渉圧力”
記事が伝えるところでは、ロシアはキーウへの圧力を強めるため、ウクライナのエネルギーや物流に対する攻撃を強化しているとされます。さらに、米国が後押しする合意が取り沙汰される中で、キーウ側にとって痛みを伴い得る譲歩を含む可能性があるとの見方も示されています。
ただ、実際にどのような条件が議論されているのか、また今回の攻撃が交渉環境にどう影響するのかは、現時点では情報が錯綜しやすい領域です。確かなのは、寒さが増す時期に電力インフラが揺さぶられると、医療・交通・通信を含む幅広い日常機能に影響が及びやすい、という現実です。
今後の注目点:復旧ペースと追加攻撃の兆し
- 停電の範囲と復旧:送電網・発電施設の被害評価と復旧の進み具合
- 寒波との重なり:気温低下が続く中での暖房需要と電力需給
- 周辺国の警戒態勢:国境周辺での防空運用が日常化するか
- 攻撃のターゲット:エネルギー・物流への集中が続くか
クリスマス直前というタイミングは象徴的である一方、現場では「いま電気がつくかどうか」という切実な問題に直結します。今夜から数日にかけて、被害の全体像と復旧状況がどこまで明らかになるかが焦点です。
Reference(s):
Russia's pre-Christmas strikes trigger power cuts across Ukraine
cgtn.com








