ロシアが東部2村掌握を主張、12月23日の大規模攻撃にゼレンスキー氏非難
2025年12月23日、ロシアがウクライナ東部で「2つの村を掌握した」と主張する一方、同日朝のミサイル・ドローンによる大規模攻撃を受け、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が強く非難し、欧米に対ロ圧力の強化を呼びかけました。米国主導の和平協議が行われた直後というタイミングも重なり、戦況と外交の距離感があらためて問われています。
ロシア「2つの村を掌握」:主張の中身
ロシア国防省は23日、部隊がウクライナ東部の2つの村を掌握したと主張しました。対象は、ハルキウ州のプリリプカ(Prylipka)と、ドニプロペトロウシク州のアンドリイウカ(Andriivka)としています。
同省はあわせて、ウクライナ側が「1,405人の戦闘員」を失ったとも述べました。いずれもロシア側の発表で、戦況に関する主張が応酬される中での情報となります。
12月23日朝の大規模攻撃:死者と停電、インフラ被害
ウクライナ側によると、ロシアは12月23日朝、ミサイルとドローンによる連携攻撃を実施しました。前夜からの攻撃で少なくとも3人が死亡し、その中には4歳の子どもも含まれるとされています。
攻撃は緊急的な停電措置を引き起こし、全国的に電力供給へ影響が出ました。ユーリヤ・スヴィリデンコ首相は、西部のエネルギー関連インフラが最も深刻な被害を受け、一部地域では数日間にわたり停電する可能性があると述べています。
ゼレンスキー氏「交渉のさなかの攻撃」:650機超のドローンと30発のミサイル
ゼレンスキー大統領はSNSで、今回の攻撃について「ロシアの優先順位を極めて明確に示すシグナルだ」と非難しました。さらに「この戦争を終わらせるための交渉のさなかに実行された攻撃だ」とも指摘しています。
同大統領によれば、攻撃は13の地域に及び、シャヘド型ドローン650機超とミサイル30発が投入されたといいます。ウクライナ空軍はその後、飛来した弾薬の大半は防空で撃墜したと発表しました。
周辺国も警戒:ポーランドが航空機を展開
今回の攻撃では、ウクライナ西部のポーランド国境に近い地域にも着弾があったとされ、NATO加盟国であるポーランドが航空機を展開して対応したと伝えられています。戦場が国境に近づくほど、周辺国は「自国の空域・安全」を同時に考えざるを得ません。
「建設的」だった和平協議と、埋まらない溝
攻撃の数日前には、米国主導の和平協議がマイアミで行われ、「建設的」とも表現されました。しかし報道によると、ウクライナ側の要求の約90%を取り入れたという20項目の案は、クレムリンに退けられたとされています。
また、西側陣営の足並みも一枚岩ではありません。ハンガリーのオルバン首相は、米国が「即時の停戦」を優先する一方で、EU首脳の多くはロシアへの「長期戦略」を重視している、との見方を示したとされています。
ロシアがウクライナのインフラ攻撃を強める中、エネルギーコストの上昇や戦争の経済的負担が、欧州での国内世論(長期化への反発)を押し上げている、という指摘も出ています。
クリスマス期間の警戒と、連鎖のリスク
ゼレンスキー大統領は前日の22日、12月23〜25日にかけてロシアの攻撃があり得ると警告し、こうした時期に攻撃を行うのは「ロシアの性質だ」と述べていました。
一方、マイアミ協議の数時間後にモスクワでロシアの将軍が車爆弾で死亡した事件は、事態のエスカレーション(激化)の口実になり得るとも報じられています。ウクライナは、ロシア当局者を標的とした攻撃への関与を公式には認めていません。
いま注目されるポイント
- 停電を伴うインフラ被害が、冬の生活と経済にどう波及するか
- 「交渉」と「攻撃」が同時進行する局面で、圧力と支援の設計はどう変わるか
- 国境近くでの事案増加が、周辺国の警戒態勢にどう影響するか
和平協議が「場」を作っても、戦場がそれに同期するとは限りません。12月23日の出来事は、そのギャップを改めて突きつけた一日になりました。
Reference(s):
Russia claims taking 2 Ukraine villages, Kyiv condemns Russian strike
cgtn.com








