ガザ停戦に揺らぎ:ラファで爆発、イスラエルは報復示唆 ハマスは関与否定
2025年10月10日に発効したガザ停戦をめぐり、南部ラファでの爆発でイスラエル軍将校が負傷し、イスラエル側は「対応する」と表明しました。一方、ハマスは関与を否定し、「残存爆発物の可能性」を示唆しています。停戦の第2段階に向けた交渉が続く中で、現場の小さな衝突が政治判断を左右しかねない局面です。
何が起きたのか:ラファで爆発、将校が軽傷
イスラエル軍は12月24日(現地時間)、ガザ地区南部ラファ周辺で軍用車両に対して爆発物が作動し、将校1人が軽傷を負ったと発表しました。ラファは、イスラエル軍がなお作戦を行っている地域だとされています。
ネタニヤフ首相「イスラエルは相応に対応する」
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は同日、空軍パイロットの卒業式でこの事案に言及し、停戦合意(10月の合意)で想定されていた武装解除について、ハマスが応じる考えがないことが明確になったとの認識を示しました。
そのうえで、首相は「イスラエルは相応に対応する」と述べ、報復の可能性をにじませました。
ハマスは関与を否定:「紛争の残存爆発物」と主張
これに対しハマスは、爆発が起きた場所は「イスラエル軍が完全に掌握している地域」だとして、組織としての関与を否定しました。また、紛争後に爆発物が地域内に残っていると警告してきた経緯を挙げ、今回も残存爆発物による可能性があるとの見方を示しています。
ハマスは、10月10日の停戦を守る立場だと改めて表明しました。ハマス高官マフムード・メルダウィ氏は、仲介国側にこの問題を伝えたとも述べています。
停戦は「第1段階」まで:次の焦点は人質・撤収・非武装化
報道によると、米国のドナルド・トランプ大統領が今年9月に示した20項目の計画は、まず停戦を置き、その後により広い和平へ進む設計です。現時点で機能しているのは第1段階で、具体的には以下が含まれます。
- 停戦
- 人質と収監者の解放
- イスラエル軍の部分的撤収
一方、第2段階は、仲介国が2026年1月の開始を目指しているとされ、ガザからの全面撤収と引き換えに、地域の長期的な非武装化(武装をなくす構想)が柱だとされています。
交渉の動き:カイロとアンカラで並行協議
カイロ:最後の人質の遺体返還を協議
ネタニヤフ首相府によれば、イスラエル代表団は12月24日にカイロで仲介国当局者と会談し、最後のイスラエル人人質とされる警察官ラン・グビリ氏の遺体返還に向けた取り組みを協議しました。代表団は人質調整官のガル・ヒルシュ氏が率い、ハマスの武装解除や、国際的な安定化部隊の展開という敏感な論点も扱ったとされています。
アンカラ:トルコ外相がハマス代表団と会談
また同日、トルコのハカン・フィダン外相が、ハマス幹部ハリル・アル=ハイヤ氏率いる代表団とアンカラで会談したと、トルコのアナドル通信が報じました。フィダン外相は、パレスチナの権利擁護を続ける考えを示し、ガザの避難・人道ニーズに関する取り組みも説明したとされています。
ハマス側は、停戦条件を遵守している一方で、イスラエルがガザへの攻撃を継続し、第2段階への移行を妨げていると主張しました。
停戦下でも続く「局地的暴力」:数字が示す緊張
今回の交渉は、10月10日に始まった脆弱な停戦を安定させる広い取り組みの一部です。大規模戦闘はいったん止まったものの、ガザの保健当局によると、10月11日以降の局地的な暴力で400人以上のパレスチナ人が死亡したとされています。
来週の焦点:ネタニヤフ首相がトランプ大統領と会談へ
ネタニヤフ首相は来週、トランプ大統領と会談し、米大統領のガザ計画の「次の段階」を主に協議する予定だとされています。現場の爆発事案のような出来事が、停戦の解釈や交渉の空気をどう変えるのか。ラファの一件は、停戦が「維持されている」だけでは足りず、「次に進めるのか」が問われていることを映しています。
いまのポイント
- ラファで爆発、イスラエル軍将校が軽傷
- イスラエルは報復を示唆、ハマスは関与を否定
- 第2段階(全面撤収と長期的非武装化)に向け、交渉が継続
- カイロで人質遺体返還、アンカラで第2段階をめぐる意見交換
停戦の「違反」をどう定義するのか、そして武装解除や国際部隊といった重い論点を、当事者と仲介国がどこまで具体化できるのか。年末の交渉は、2026年1月を見据えた分岐点になりそうです。
Reference(s):
Israel vows response to Hamas 'violation' of Gaza truce, Hamas denies
cgtn.com








