米政権、ベネズエラ原油「隔離」強化へ 米軍に封鎖対応を集中指示
米ホワイトハウスが、ベネズエラ産原油をめぐる「隔離(quarantine)」の執行に向け、米軍の任務を今後少なくとも2カ月間ほぼ集中させるよう命じたと、ロイターが今週水曜日(2025年12月24日)に米当局者の話として報じました。軍事行動の可能性を残しつつも、まずは制裁の執行を通じた経済圧力を優先する構図が鮮明になっています。
何が起きたのか:「原油の隔離」に米軍の重点を移す
報道によると、米政府はベネズエラの原油取引に関し、制裁対象タンカーの出入りを抑える「隔離」の執行を重視。米当局者は「軍事オプションは存在するが、最初の焦点は制裁の執行による経済圧力だ」と述べたとされています。
「全面封鎖」発言とタンカー追跡:Bella Iが進路変更
米メディア報道として、米軍に追跡されていた3隻目のタンカー「Bella I」が、ベネズエラでの積み荷を目指す航路を転じ、大西洋へ退いたと伝えられました。これに先立ち、トランプ米大統領は先週、制裁対象タンカーのベネズエラへの出入りを「全面的かつ完全に封鎖する(full and total blockade)」と命じたとされています。
また、トランプ大統領は、マドゥロ政権を米国が指定する「外国テロ組織(foreign terrorist organization)」だと発表したとも報じられています。エネルギー取引の遮断を、より強い政治メッセージと結びつけた格好です。
狙いは「経済圧力」:2026年1月末を見据える見立ても
米当局者は匿名を条件に、これまでの取り組みがマドゥロ大統領に「大きな圧力をかけている」とし、「(ベネズエラが)米国に対して大幅な譲歩をしない限り、2026年1月末までに経済的な破局に直面する」との見方を示したとされています。
ここでポイントになるのは、軍事行動ではなく、制裁の執行強化と海上での実効性(タンカーの航行、荷役、保険、決済など)によって、短期間に行動変化を引き出そうとしている点です。
ベネズエラ側は強く反発:「政権交代狙い」「海賊行為」だと非難
ベネズエラは、米国が政権交代を狙い、中南米で軍事的影響力を拡大しようとしていると繰り返し主張し、タンカーの拿捕・妨害は「海賊行為(piracy)」だと非難してきたと報じられています。
一方、トランプ大統領は今週月曜日(2025年12月22日)、目的がマドゥロ大統領の退陣にあるのかと問われ、「退陣するのが賢明だろう」と述べ、「強硬に出れば、強硬でいられるのは最後になる」とも語ったとされています。発言は圧力の強さを示す一方、受け止め方によっては緊張を高め得る言葉でもあります。
国連安保理は緊急会合:憲章尊重と自制を求める声
国連安全保障理事会は今週火曜日(2025年12月23日)、ベネズエラ情勢をめぐり緊急会合を開催。報道によれば、安保理メンバーの圧倒的多数が、国連憲章の尊重と、さらなるエスカレーション(緊張激化)回避のための自制を求めたとされています。
今後2カ月の注目点:海上執行がもたらす「連鎖」
今回の焦点は「海上で制裁をどう実効化するか」です。現場では次のような連鎖が起きやすく、短期間で影響が広がる可能性があります。
- タンカー運航:進路変更や寄港回避が増えれば、供給の遅れやコスト増につながります。
- 金融・保険:制裁リスクが意識されると、保険や決済のハードルが上がり、取引が細ります。
- 政治・外交:強い言葉と現場の執行が結びつくほど、偶発的な衝突回避の設計が重要になります。
年末から2026年初めにかけて、制裁の執行がどこまで徹底されるのか、そして国連を含む外交ルートが緊張緩和に機能するのかが、静かに試される局面になりそうです。
Reference(s):
White House orders military to focus on Venezuelan oil 'quarantine'
cgtn.com








