韓国特別検察、尹錫悦前大統領に懲役10年求刑 逮捕状執行妨害で
韓国(大韓民国)で弾劾されて罷免された尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領について、特別検察が懲役10年を求刑したと、複数の現地メディアが2025年12月26日(金)に報じました。大統領経験者の刑事責任が、どこまで具体的に問われるのか——司法判断の行方に注目が集まっています。
何が起きたのか:特別検察が「懲役10年」を求刑
報道によると、独立した特別検察(特別捜査を担う独立捜査チーム)を率いる趙恩淑(チョ・ウンスク)特別検察は、尹氏に対して懲役10年を求刑しました。
中心となるのは、2025年1月に高位公職者犯罪捜査処(CIO)が逮捕状の執行を試みた際、これを妨害したとされる点です。尹氏が大統領警護処(大統領を警護する組織)を動員し、捜査当局の執行を阻んだ、という構図です。
争点:逮捕状の執行はなぜ止められたのか
報道では、CIOによる尹氏の身柄確保の試みが一度阻止された場面が具体的に伝えられています。大統領警護処が、捜査官の敷地内進入を防ぐために「人の壁(人間の盾)」を作り、さらにバスを用いたバリケードで進入路を塞いだという内容です。
裁判で扱われたとされる主な疑い
- 逮捕状執行の妨害(特別公務の執行妨害に関する事件として審理)
- 暗号化された通話記録の削除を命じた疑い
- 戒厳令をめぐる虚偽の公表を拡散した疑い
今後の予定:判決は2026年1月16日に言い渡しへ
この事件を審理しているソウル中央地方法院(地裁)刑事部は、判決を2026年1月16日に言い渡す予定だとされています(「来年1月」と報道)。年明け早々に、政治と司法の緊張関係を左右する節目が訪れることになります。
背景:弾劾は2025年4月4日に確定、発端は「昨年12月」の戒厳令をめぐる混乱
報道によれば、憲法裁判所は2025年4月4日、尹氏の弾劾を妥当と判断し、尹氏は正式に罷免されました。弾劾の理由としては、尹氏による「昨年12月」の戒厳令をめぐる試みが不首尾に終わったこと(“botched martial law bid”)が挙げられています。
今回の求刑は、その後の捜査・訴追の局面で、権力中枢が捜査の手続きをどう扱ったのか、そして公的機関の職務執行がどの程度守られるべきか、という論点を改めて浮かび上がらせています。
静かな注目点:法の執行と「安全確保」の線引き
要人警護は安全確保のために不可欠な一方、捜査機関の逮捕状執行をどう受け止めるべきかは難しいテーマです。警護組織の対応が「正当な警護」だったのか、それとも「公務の妨害」だったのか——裁判所がどの事実を重く見るのかが、2026年1月の判決で焦点になりそうです。
Reference(s):
ROK special counsel seeks 10-year prison term for ex-president Yoon
cgtn.com








