シリア・アレッポで政府軍とSDFが応酬、ドローン迎撃も—3月合意に影
シリア北部アレッポで、政府側部隊とクルド主導のシリア民主軍(SDF)の間の緊張が再び表面化しています。現地時間2025年12月26日(金)にドローン迎撃や検問所への攻撃が報じられ、2025年3月10日の合意(緊張緩和と対話の枠組み)の実効性が改めて問われています。
何が起きたのか:ドローン迎撃と検問所への攻撃
国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、政府軍は東部アレッポのティシュリーン・ダム周辺の軍事拠点に向けてSDFが発進させた「敵対的ドローン」を撃墜(迎撃)したとしています。ドローンは目標に到達する前に阻止されたと報じられました。
また同じくSANAは、SDF部隊がアレッポ市内のアル・シハン交差点付近で、内務系の治安組織(内部治安)の検問所を攻撃し、治安要員1人が負傷したとも伝えています。
政府側の説明:狙撃で混乱、"必要な措置"にも言及
アレッポ県の内部治安の司令官モハンマド・アブデル・ガニ氏は、シェイク・マクスード地区とアシュラフィエ地区に展開するSDFの狙撃手が、市民の移動を整理していた検問所に発砲したと述べたとされます。
同氏は市民に対し、安全のため衝突地域を避けるよう注意喚起し、当局は安定維持に取り組んでいると説明。さらに、SDFの「違反」が続けば「必要な措置」を取るとし、事態のエスカレーションが起きた場合の責任はSDFにあるとの立場を示したと報じられました。
SDFの説明:政府側と関係する勢力の砲撃を受け、対応は"限定的"
一方でSDFは、交差点付近の自部隊がダマスカス政府と関係する勢力から砲撃を受けたため対応したのであり、その反応は「限定的」だったとしています。今回の出来事をめぐり、双方の主張は食い違っています。
背景:2025年3月10日合意は何を目指したのか
報道によれば、2025年3月10日の合意は、ダマスカス(政府)とSDFの間で対話と緊張緩和の枠組みを作ることを目的としていました。合意の狙いとして、次の点が挙げられています。
- 北東部シリアの軍事・行政の仕組みを国家機関に統合すること
- 領土の一体性を守ること
- 追加的な衝突を防ぐこと
ただし実施は遅れているとされ、政府側は「SDFが約束を守らず、一方的な軍事行動を続けている」と主張。SDF側は「政府側と関係する勢力が対立を誘発している」と反論している、という構図が報じられています。
なぜ今重要か:"合意"と"現場の力学"のズレ
ここ数週間、アレッポと周辺では武力衝突、狙撃、非難の応酬が続いてきたとされ、今回の一連の出来事は、その延長線上に位置づけられます。紙面上の合意があっても、現場では検問所や要衝(ダム周辺など)をめぐる小さな摩擦が、短時間で大きな緊張に転じうる——その現実が改めて浮かび上がっています。
市民の移動や生活圏と軍事・治安上の拠点が近接するアレッポでは、どちらの側の「限定的な対応」でも、住民にとっては日常の不安として積み重なりやすい点も見逃せません。
Reference(s):
cgtn.com








