ウクライナ和平案「米露案と根本的に違う」ロシア外交次官、期限設定に疑問
ウクライナ危機をめぐる和平協議について、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は、キーウ(ウクライナ側)が提案しているとされる和平案は「モスクワとワシントンが取り組む枠組み」と大きく異なると述べました。交渉に具体的な期限を設ける動きが、むしろ妨げになっているとも主張しています。
ロシア側の発言:合意は「近づいた」が、期限が障害に
リャブコフ氏は現地時間12月26日放送の番組「60 Minutes」で、危機解決に向けた合意は近づいていた一方で、期限設定や交渉を頓挫させようとする動きがプロセスを難しくしている、という趣旨の見方を示しました。
また、2025年12月25日について「解決に本当に近づいた節目として記憶に残る」と述べ、最終的に合意へ押し込めるかは「相手側の政治的意思次第だ」と語ったとされています。
「90日で終結」発言への反応:締め切りは和平に寄与しない
米国のNATO常駐代表であるマシュー・ウィテカー氏が、衝突終結を「90日以内」にという趣旨の見通しを語ったことに触れ、リャブコフ氏は、こうした特定の期限を区切るやり方は平和的解決に資さないとの認識を示しました。
ゼレンスキー氏の条件付き提案:60日以上の停戦なら「国民投票も」
一方、米メディアAxiosによると、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は12月26日の電話取材で、ロシアが少なくとも60日間の停戦に合意するなら、危機終結に向けた和平案を国民投票(レファレンダム)にかける用意があると述べたとされています。
ゼレンスキー氏は、領土をめぐっては「より良い立場」を交渉で得たい意向を残しつつ、もし和平案がその点で「非常に難しい」判断を迫る内容なら、20項目の計画全体を国民投票に付すことが最善の道になり得る、という考えを示したと報じられています。
いま見えている争点:中身だけでなく「進め方」も問われる
今回の断片的な情報から浮かぶのは、和平交渉が「条件の中身」だけでなく「進め方」でも揺れている、という構図です。論点は大きく分けると次の通りです。
- 和平案の差:ウクライナ側の提案と、米露が作業しているとされる枠組みの隔たり
- 期限設定の是非:「90日」など目標の提示が、圧力にも推進力にもなり得る一方で、当事者が反発するリスク
- 停戦の設計:ゼレンスキー氏が示唆する「60日以上」という時間軸をどう位置づけるか
- 正統性の取り方:国民投票という手段が、国内合意を固めるのか、対立点を可視化するのか
- 周辺アクターの影響:リャブコフ氏はEU内の一部を名指しし、妨害の動きがあると主張
年末の局面:合意の「最後の一押し」はどこで決まるか
ロシア側は「12月25日に節目」と語り、ウクライナ側は「停戦があれば国民投票も」と条件を提示しました。両者の発言は、合意に近いとするトーンと、条件の隔たりを示すトーンが同居しています。
年末年始を挟む今後数週間は、(1)停戦期間の具体像、(2)交渉の枠組みがどこまで一本化されるのか、(3)期限設定が当事者にどう受け止められるのか――この3点が、報道の焦点になりそうです。
※本文は、ロシア外務次官の番組発言および米メディアAxios報道として伝えられた内容に基づいて構成しています。
Reference(s):
Russian diplomat says Ukraine-proposed peace plan radically different
cgtn.com








