ロシアによるドローンとミサイルの大規模な攻撃で、ウクライナの首都キーウ(Kyiv)と周辺地域に死傷者が出て、寒さが厳しい時期に暖房や電力の供給が途絶する地区が広がっています。戦闘終結に向けた協議が取り沙汰されるなかでの攻撃だけに、前線だけではない「生活インフラ」への打撃が改めて焦点になっています。
何が起きたのか:夜間の爆発、広範囲で停電と暖房停止
報道陣によると、現地時間の27日未明にかけてキーウで大きな爆発音が続き、空がオレンジ色に見えるほどの閃光を伴う場面もありました。空襲警報は数時間に及んだとされています。
キーウ州の当局者ミコラ・カラシュニク氏は、47歳の女性1人が死亡したと説明しました。負傷者は約24人とされています。
「キーウの3分の1が暖房なし」当局が被害を説明
ウクライナ空軍は27日早朝、全国規模の空襲警報を発表し、ドローンやミサイルが複数の地域上空を移動しているとしました。
また、ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、キーウの3分の1が暖房なしの状態になったとXに投稿。市当局も、住宅約2,600棟に加え、保育施設187か所、学校138校で暖房が止まったと発表しました。27日のキーウの気温は0度前後とされ、復旧の遅れは日常生活への影響を一段と深めます。
ゼレンスキー氏「戦争を終わらせたくない」—攻撃規模にも言及
ボロディミル・ゼレンスキー大統領は、今回のキーウへの攻撃はロシアが「戦争を終わらせたくない」ことを示していると述べました。攻撃について、ドローン約500機とミサイル40発が首都と周辺地域を襲ったと説明しています。
ゼレンスキー氏は、ロシアの代表が「長い話し合い」をする一方で、実際には「キンジャール(Kinzhal)弾道ミサイルやシャヘド(Shahed)型ドローンが語っている」と表現し、圧力を強める意図があるとの見方を示しました。
外交日程の直前:フロリダで米大統領トランプ氏と会談予定
今回の攻撃は、ゼレンスキー氏が米国のドナルド・トランプ大統領と、フロリダで28日(日)に会談し、戦闘終結に向けた提案を協議する予定だとされるタイミングの直前に起きました。戦闘は2022年以降、数万人規模の死者を出してきたとされています。
一方でロシア側は26日(金)、ゼレンスキー氏とEUの支援者が、米国の仲介による計画を「妨害(torpedo)」しようとしていると非難したと伝えられています。
いま注目される点:戦況だけでなく「冬の都市生活」が揺さぶられる
今回の攻撃が突きつけたのは、死傷者の数だけでは測れない影響です。暖房・電力が途絶した住宅や保育施設、学校が一気に増えると、医療、子育て、通学、在宅勤務まで、都市のリズムそのものが崩れていきます。
- 気温0度前後での暖房停止は、健康リスクを短期間で押し上げやすい
- 教育・保育の停止は、家庭の就労や地域の経済活動にも波及しやすい
- 「和平努力」と「攻撃の激化」が同時に語られることで、交渉の見通しがいっそう読みにくくなる
この週末の協議が何を前に進め、何を止められないのか。キーウの凍える夜は、交渉テーブルの外側にある現実を静かに映しています。
Reference(s):
Russian missile and drone attacks on Kyiv leave thousands without heat
cgtn.com







