ロシア国防省は2025年12月27日(現地時間)、「ハルキウ州の要衝クピャンスクをロシア軍が保持している」としたうえで、同日未明にウクライナの軍関連施設に対する大規模攻撃を実施したと発表しました。前線の拠点争奪と、後方インフラへの打撃を同時に強調する発表で、今後の戦況見通しにも影響しそうです。
夜間に「大規模攻撃」:ロシア国防省が発表した内容
発表によると攻撃は一晩のうちに行われ、ロシア軍は陸・空・海のプラットフォームから長距離の精密兵器を使用。極超音速ミサイル「キンジャール」も含め、ウクライナ軍の作戦や防衛産業を支える電力インフラなどの軍事関連目標を攻撃したとしています。
また、ロシア国防省は今回の攻撃について、「ロシア領内の民間施設に対し、『キーウ政権』が行ったテロ攻撃への対応」だと説明し、「目的を達成し、指定した目標はすべて命中した」としました。
クピャンスクは「保持」:2日間で5回の反撃を退けたと主張
クピャンスクをめぐっては、ロシア軍「西部軍管区(Western Group of Forces)」の報道官イワン・ビグマ氏が、過去2日間にウクライナ側の反撃が5回あったものの、すべて退けたと述べました。
- 「反撃はすべて撃退し、領土的損失はない」
- 戦闘で軍用装備5点を破壊(うち米国製M113装甲兵員輸送車2両を含む)
- ウクライナ兵20人超を排除した
これらはロシア側発表に基づく情報です。
なぜクピャンスクが注目されるのか
クピャンスクはハルキウ州の戦略拠点として語られることが多く、前線の兵站(補給や移動)や部隊運用に関わる重要地点として扱われてきました。今回の発表は、前線では「拠点の維持」、後方では「電力など基盤の打撃」という、異なる層の圧力を同時に示す形になっています。
見えてくるポイント:「軍関連インフラ」と「反撃撃退」を一体で語る狙い
ロシア側の説明を整理すると、焦点は大きく2つです。
- 後方への打撃の正当化:攻撃理由を「ロシア領内の民間施設への攻撃への対応」と位置づけた
- 前線の安定強調:クピャンスクでの「反撃撃退」と「損失なし」をセットで示した
この2点を同時に打ち出すことで、戦況の主導権を握っているという印象を強めたい意図がうかがえます。
現地映像・情報の扱いはどうなる
本文に関連して配信された資料には、2025年11月16日にクピャンスク方面で撮影されたとされるロシア兵の画像説明が添えられていました。戦時下では、発表や映像がどの局面を指すのかが混在しやすく、今後も「いつの情報か」「どの地域の出来事か」を切り分けて追うことが重要になりそうです。
今後の焦点:インフラ攻撃の範囲と、クピャンスク周辺の攻防
ロシア側は今回、軍事作戦を支える電力インフラを標的にしたと説明しています。今後は、
- 攻撃が継続するのか(規模・頻度・対象の変化)
- クピャンスク周辺で攻防が再び激化するのか
- 双方の発表が示す「戦果」と現場の状況がどう接続するのか
といった点が注目されます。
Reference(s):
Russian army holds Kupyansk, raids Ukrainian military infrastructure
cgtn.com







