FAO、アフガニスタン農家に小麦栽培パッケージ8万7400件を配布
国連食糧農業機関(FAO)は2025年12月28日、アフガニスタン各地の農家世帯に向けて、小麦栽培パッケージ8万7400件を配布したと発表しました。厳冬期の「端境期」を前に、食料安全保障が揺らぐ中での支援として注目されます。
何が配られたのか:認証種子と肥料のセット
FAOによると、配布されたのは「認証された小麦種子」と「品質の良い肥料」を組み合わせた栽培パッケージです。FAOは声明で、こうした種子と肥料の組み合わせは従来の品種よりも高い収量につながりやすく、家族がより多くの食料を確保し、地域を支え、収入を得る助けになるとしています。
背景:この冬、急性の飢餓が拡大する見通し
アフガニスタンの食料事情は悪化しているとされ、FAOの最近の報告書では、厳しい冬の端境期に「1740万人」が深刻な急性飢餓の高い水準に直面する見込みだと予測しています。収穫量の底上げは、家計の食料と現金収入の両方に直結するため、支援のタイミングも重要になります。
農業が生活の土台、しかし現場の制約は多い
同国では人口3600万人超の「約80%」が農業に生計を依存している一方、農家は複合的な課題を抱えています。FAOは主な困難として、次の点を挙げています。
- 先進的な農業機械・設備へのアクセスが限られる
- 伝統的な農法への依存が続く
- 市場へ運ぶための道路インフラが不十分で、輸送が遅れやすい
- 低温保管(コールドストレージ)施設が不足している
- 改良種子の供給が足りない
今回の配布は、特に「改良種子の不足」というボトルネックを直接埋める狙いがある形です。ただ、種子と肥料だけでは、輸送や保管の弱さといった構造的課題が残り、収穫後の損失や販売機会の確保が次の焦点になりそうです。
いま注目したいポイント:支援の効果が見えやすい局面へ
冬の端境期は、食料価格や家計の余力が厳しくなりやすい時期です。高収量につながる投入(種子・肥料)がどの程度、各地域の食料確保と所得に結びつくのか。今後は、配布の「量」だけでなく、収穫期に向けた実際の成果の把握が問われることになります。
Reference(s):
FAO distributes over 87,000 wheat packages to Afghan Farmers
cgtn.com








