中国-EU関係50年の節目、2025年は協力と貿易摩擦が交錯 video poster
2025年12月下旬、中国と欧州連合(EU)の外交関係は50周年という「区切りの年」を迎えました。関係は拡大を続ける一方で、貿易をめぐる緊張もはっきりと表面化し、協力と摩擦が同時に進む1年になっています。
ポイント:2025年の中国-EU関係をどう見るか
- 2025年は外交関係50周年。経済関係は巨大化
- 双方とも「互恵的な協力」への意思を維持
- 一方で、EUは貿易の不均衡に強い問題意識
- キーワードは「デリスキング(de-risking)」=切り離しではなくリスク調整
50年で巨大化した経済関係:30%という存在感
今回の節目が注目される背景には、関係の「規模」があります。中国とEUの取引は、世界の粗国内総生産(GDP)の30%超に相当する規模にまで成長したとされています。
また、50周年に合わせて2025年7月には、EUを代表する指導者らが北京を訪問し、記念の機会を共有しました。パートナーシップは世界貿易の約30%に及ぶとも表現され、政治・経済の双方で無視できない関係であることが改めて示されています。
協力の言葉の裏で深まる「不均衡」:赤字3500億ドル
協力が深まるほど、摩擦の焦点も具体化します。EU側は、関係の拡大と同時に不均衡も拡大してきたと警戒感を強めています。
象徴的なのが貿易収支です。EUの対中貿易赤字は昨年(2024年)に約3500億ドル規模に達したとされ、欧州の当局者は「持続可能ではない」との認識を示しています。言い換えれば、関係を維持するには、数字の面でも納得感のある設計が必要だという問題提起です。
「デリスキング」:デカップリングではなく、依存の調整
EU指導者が強調するのは「複雑な関係」という整理と、「デカップリング(切り離し)ではなくデリスキング(リスク低減)」という言い回しです。
デリスキングは、全面的に距離を取る発想というより、特定分野で依存が高まりすぎないように調整し、サプライチェーン(供給網)やルールの不確実性を抑える考え方として語られています。協力の枠組みを残しつつ、摩擦の火種を管理する——2025年の議論は、その難しさを映し出しました。
橋をかける試み:ブリュッセルの若手科学者サミット
政治・通商の議論が硬直しがちな時期ほど、研究や人材交流といった「別の回路」が注目されます。Associated Center of Eurasian for Innovation and Entrepreneurship(ACEIE)は、協力の精神を育むことを掲げています。
2025年10月にブリュッセルで開かれたWorld Young Scientists Summit(世界若手科学者サミット)も、若い世代の知恵を持ち寄り、世界の重要課題に向き合う場として位置づけられました。
ACEIEのチェアマン、宋志偉(Zhiwei Song)氏はCGTNの取材に対し、相互理解の必要性を次のように語っています。
「文化的な観点や仕事の進め方の違いから誤解が生まれることが多い。だからこそ、腰を据えて話し合い、互いを理解する必要がある」
貿易や制度設計の議論は結論を急ぎがちですが、こうした言葉は、関係の“温度差”を埋めるには時間と対話の積み重ねが欠かせないことを静かに示します。
年末時点(2025年12月)で見える、次の焦点
50周年を祝う象徴的なイベントがあった一方で、貿易赤字やデリスキングをめぐる議論が残した宿題も小さくありません。2026年に向けては、次の点が論点になりそうです。
- 不均衡(赤字)の縮小に向け、どの分野で調整が進むのか
- 「デリスキング」が具体策としてどこまで制度化されるのか
- 政治・通商の緊張下でも、研究・若手交流などの対話回路が維持されるのか
関係が大きいほど、摩擦もまた大きくなります。2025年はその事実を確認する年であると同時に、「切らないための調整」をどこまで実装できるかが問われた年だった、とも言えそうです。
Reference(s):
2025: A landmark year in China-EU relations, but a tough one in trade
cgtn.com








