スーダン・エルファシェル、陥落後も水も衛生も不足 国連が危機訴え
スーダン西部の都市エルファシェルでは、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の掌握後も水や衛生設備がほとんどない状態が続き、飢饉(ききん)の懸念も消えていない――。国連のスーダン人道調整官デニス・ブラウン氏が、現地の状況を「人道的苦難の震源地」と表現し、支援再開の難しさと緊急性を伝えました。
「水も衛生もない」陥落後の市民生活
ブラウン氏がAFPに語ったところによると、エルファシェルに残された民間人は深くトラウマを抱え、水や衛生環境が確保できないまま暮らしているといいます。都市は飢饉に直面している状況で、生活の基盤そのものが崩れている姿が浮かび上がります。
10月に陥落、国連チームは「約2年ぶり」に短時間訪問
エルファシェルは、500日以上に及ぶ包囲の末、今年10月にRSF側に掌握されたとされています。国連の小規模な人道チームは先週金曜日、約2年ぶりに現地を訪問しました。
ただし訪問は数時間に限られ、RSFとの交渉を重ねてようやく実現した形でした。チームは、負担が限界に近い病院や、放棄された国連施設などを確認したといいます。
「犯罪現場のようだ」—調査と支援の役割分担
ブラウン氏は現地を「犯罪現場のようだ」と表現しました。一方で、何が起きたのかを検証する作業は人権の専門家が担い、自身の事務所は生存者への支援をどう戻すかに集中する考えを示しています。
また、訪問中に拘束されている人々を確認できなかったとしつつ、「拘束者がいるとみている」と述べました。支援の再開と並行して、安否や保護の観点でも大きな空白が残っています。
人口100万人超の都市が「どれだけ残っているか分からない」
ブラウン氏によれば、エルファシェルはかつて100万人以上が暮らした都市でした。しかし現在、残っている人数は十分に把握できていないといいます。市内の広い範囲が破壊され、残った人々の家も壊されている可能性があるとして、「人々は極めて不安定な状況で生きている」と警鐘を鳴らしました。
背景:2023年4月から続く戦闘が招いた人道危機
スーダンでは2023年4月以降、正規軍と、かつての同盟勢力だったRSFの対立が続き、人道的大惨事へと発展しました。今回のエルファシェルの状況は、その帰結が「都市の日常」をどう崩していくのかを、短い現地訪問の報告からも突きつけます。
今回のポイント(短く整理)
- エルファシェルでは水・衛生が欠如し、飢饉の懸念が続いている
- 今年10月にRSFが掌握、包囲は500日超
- 国連人道チームが先週、約2年ぶりに短時間訪問(アクセス確保は難航)
- 拘束者の存在が疑われるが、確認できていない
- 都市の破壊が広がり、残留人口も把握しきれていない
支援の再開には「現地に入れるか」だけでなく、「入ったあとに何を確認し、誰をどう守るのか」という複数の課題が重なります。エルファシェルの報告は、支援ルートの確保と、現地で起きた出来事の解明が同時進行にならざるを得ない現実を示しています。
Reference(s):
cgtn.com








