2025年のアフリカ:脱植民地化が「アイデンティティ」を問い直す video poster
2025年、アフリカでは「自分たちは何者か」という問いを取り戻す動きが、脱植民地化(decolonization)の長い道のりの中でいっそう強まりました。奴隷貿易と植民地主義という二重の歴史的トラウマを背景に、賠償、文化財の返還、公共空間の名称変更といった取り組みが重なり、ゆっくりと、しかし意図的に前へ進んでいます。
議論の出発点:奴隷貿易と植民地主義の「二重の傷」
アフリカのアイデンティティをめぐる議論の根には、奴隷貿易と植民地主義がもたらした長期的な影響があるとされています。何世紀にもわたって、これらは先住の文化や政治の仕組み、そして自己肯定感を徐々に損ない、代わりに西洋の価値観が深く根付く状況を生みました。
2025年に目立った3つの動き
今年(2025年)は、過去の清算というよりも「現在の社会をどう設計し直すか」という角度で、次のテーマが重なって語られています。
- 賠償(reparations)を求める動き:歴史的被害をどう評価し、どのような形で償いを設計するのかという難題が、議論の中心にあります。
- 文化財・遺物の返還(artifact retrieval):失われたものを取り戻す行為が、文化の連続性や誇りの再構築と結びついて語られています。
- 公共空間の名称変更(renaming public spaces):記念碑や通りの名前など、「誰を記憶の中心に置くのか」をめぐる選択が、日常の風景から見直されています。
いずれも即効性のある答えが出にくい分野ですが、2025年は「遅いが、意図的な進展」が確認された年だと位置づけられています。
グローバル化の中で、アイデンティティはどう再定義されるのか
ポイントは、こうした取り組みが過去の復元にとどまらず、グローバル化した世界の中でアフリカの自己像をどう組み立て直すか、という現在進行形のテーマになっている点です。賠償や返還、改名は、歴史を語り直す作業であると同時に、教育、政治、文化の「基準」をどこに置くかをめぐる社会的な交渉でもあります。
この論点は、アフリカ内部の多様な視点や優先順位とも交差します。だからこそ一枚岩にはなりにくい一方で、議論が続くこと自体が「自分たちの言葉で定義する」方向への力学を生んでいる、とも言えそうです。
番組でも焦点に:「Talk Africa」年末特集の一回として
このテーマは、週刊のトーク番組「Talk Africa」でも取り上げられています。番組はアフリカ内外のゲストを迎え、差し迫った課題やグローバルな論点を議論し、アフリカの声と多様な視点、独立した思考を可視化する場だと説明されています。今回の回は、年末特集の第3回に当たるとされています。
2025年の終わりが近づく今、賠償、文化財返還、名称変更という個別の争点を超えて、「どの記憶を公共の中心に置くのか」「誰が語り、誰が名付けるのか」という問いが、アフリカのアイデンティティ再定義を静かに押し進めています。
Reference(s):
cgtn.com








