トランプ氏、イラン再軍備なら新たな攻撃も ネタニヤフ氏と会談
2025年12月29日(現地時間)、米国のドナルド・トランプ大統領がフロリダ州のマールアラーゴでイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談し、ガザ和平プロセスの「第2段階」を急ぐ考えを示しました。同時に、イランが再軍備を試みるなら米国が軍事行動に踏み切る可能性があるとして、強い警告も発しました。ガザの停戦・復興と、地域の安全保障(とりわけイランをめぐる緊張)が一体で語られた点が、今回の会談の特徴です。
「第2段階」を急ぐ一方、条件はハマスの武装解除
トランプ大統領は記者団に対し、ガザ和平計画の第2段階を「できるだけ早く」始めたいと述べました。ただし中心条件として、ハマスの武装解除を明確に位置づけています。
大統領は武装解除について「非常に早く、できるだけ早く。ただし、武装解除が必要だ」という趣旨で発言しました。また、ガザの再建の時期については「かなり近く開始する」との見通しを示しています。
第2段階に含まれるとされる要素
- イスラエル軍のガザからの全面撤収
- ハマスの武装解除
- 復興の開始
- 暫定的な統治機構(移行政府)の形成
これらは、戦闘の停止を「停戦」から「統治と復興の枠組み」へ移す工程でもあります。どの順番で、誰が担保し、誰が費用と安全を支えるのか——設計次第で現実味が大きく変わる局面です。
人道状況:ガザ当局は死者7万1,266人と報告
会談の背景には、人道上の深刻な状況があります。ガザの保健当局によると、2023年10月以降のパレスチナ側の死者は71,266人、負傷者は171,219人に達したとされています。さらに、最新の停戦が10月10日に発効して以降でも、414人が死亡、1,142人が負傷したと報告しています。
数字は、和平プロセスが「交渉の言葉」だけでなく、現地の安全と医療・生活インフラの回復に直結している現実を示します。
イランへ「再軍備なら叩く」——軍事行動の可能性を示唆
トランプ大統領は同じ場でイランにも言及し、イランが再軍備を進める動きがあると聞いているとして、「もしそうなら、我々は彼らを叩き落とさなければならない。徹底的に叩く」と強い表現で警告しました。一方で、イランにとっては「取引(deal)を目指すほうがはるかに賢明だ」とも述べ、軍事と交渉の両にらみの姿勢を示しています。
ミサイル開発をめぐる応酬
報道(NBCニュースなど)では、ネタニヤフ首相がトランプ大統領に対し、イランの弾道ミサイル計画の拡大が脅威であり、迅速な行動が必要になり得ると訴える可能性があると伝えられました。
これに対しイラン側は、ミサイル計画は防衛目的であり交渉の対象ではないという立場を示しています。イラン外務省報道官のエスマイル・バガエイ氏は先週、同計画は主権防衛に不可欠だと述べたとされています。
今年6月の攻撃連鎖が緊張の基調に
地域の緊張が大きく高まったのは今年6月でした。イスラエルは6月13日、イラン国内の複数拠点に奇襲的な空爆を実施し、核・軍事関連施設を標的にしたとされています。指揮官や科学者、市民を含む死傷者が出たと伝えられました。
その後、米国も6月22日、ナタンズ、フォルドゥ、イスファハンの3つのイラン核施設に対する空爆を行ったとされています。
今回のトランプ氏とネタニヤフ氏の会談は、ガザの進展と、イランをめぐる脅威の「抑止」を結びつけて語る米国の地域安全保障の構図を、改めて浮かび上がらせました。イランはハマスの主要な支援者の一つとも位置づけられており、ガザの工程表が周辺国・勢力の力学と切り離しにくいこともにじみます。
今後の注目点:停戦の持続と「条件」のすり合わせ
現時点で焦点となるのは、(1)武装解除や撤収、暫定統治といった難題をどの順で実装するのか、(2)復興を「始める」ための安全確保と資金の手当てをどう組み立てるのか、(3)イランをめぐる抑止と交渉が、停戦の安定にどう作用するのか——の3点です。
会談で語られた強硬な警告は、交渉を押し出す圧力として働く可能性がある一方、偶発的な衝突リスクを上げる側面もあります。ガザの人道状況が厳しさを増すなか、言葉が次の行動にどうつながるのかが、年明け以降も注視されそうです。
Reference(s):
cgtn.com








