ロシア、ノブゴロド州の大統領公邸にドローン攻撃と主張 ウクライナは否定
年末の停戦交渉が動くなか、ロシアは「大統領公邸がドローン攻撃を受けた」とウクライナを非難し、ウクライナは「捏造だ」と反発しています。応酬は、交渉の空気を一段と不安定にしそうです。
ロシア外相「大統領公邸に91機、全て撃墜」
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は2025年12月29日、ロシア北西部ノブゴロド州にあるロシア連邦大統領の国家公邸を標的に、キーウ(ウクライナ)側が夜間に長距離攻撃ドローン91機を使用した「テロ攻撃」を行ったと述べました。
ラブロフ外相は、ドローンはロシアの防空システムによって全て破壊され、負傷者や被害はなかったとしています。また、こうした行動は「無回答では終わらない」とし、ロシア軍が報復攻撃の標的を既に選定しているとも言及しました。
停戦交渉の最中に起きたと強調、ただし交渉離脱はせず
ラブロフ外相は、今回の出来事が「和平合意の可能性をめぐる交渉の最中」に起きたと強調し、ロシア側は交渉姿勢を見直すとしつつも、交渉自体からは離脱しない考えを示しました。
ゼレンスキー氏「ロシアのうそ。キーウ攻撃の地ならし」と反論
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナがそのような攻撃を計画したという見方を否定。ロシアがキーウの政府施設などを攻撃するための「地ならし」をしているのではないかと主張しました。
ゼレンスキー氏はWhatsApp経由で記者団に対し、ロシアの説明を「ロシア連邦による新たなうそ」だと述べ、米国との協議が進むことをロシアが望んでいないとの見方を示しました。
また、ウクライナのシビハ外相もSNSで、今回の攻撃疑惑は「ロシアのさらなる攻撃の口実づくり」や「和平プロセスの妨害」を狙った捏造だと主張し、各国首脳にロシアの非難姿勢を問題視するよう呼びかけました。
トランプ氏「衝撃、憤り」 プーチン氏と電話、米・ウ協議にも言及
ロシア大統領補佐官のユーリー・ウシャコフ氏によると、プーチン大統領は12月29日、米国のドナルド・トランプ大統領と電話で、最新の米・ウクライナ交渉について話し合いました。
ウシャコフ氏は、トランプ氏が今回の「報じられたドローン攻撃」について「衝撃を受け、憤っている」とし、「無謀だ」と評したと説明しています。トランプ氏自身も、この電話協議は生産的だったとし、「いくつかの問題を解決できれば平和になる」と述べました。
またトランプ氏は12月28日、フロリダでゼレンスキー氏と会談し、戦争終結に向け「合意にかなり近づいた、非常に近いかもしれない」と述べる一方、領土をめぐる「厄介な」論点が残るとの認識も示していました。
残る争点:安全保障と領土、原発の扱い
ゼレンスキー氏は12月28日に、安全保障の保証に関する合意の骨子が示されたと説明し、12月29日には50年規模の安全保障合意を求めているとも述べました。トランプ氏は合意は「95%の準備ができている」と語っています。
ただ、協議の難所として次の点が挙げられています。
- 安全保障の担い手:トランプ氏は欧州諸国が「大きな部分」を担い、米国が後ろ支えする形を想定。一方、ロシアはウクライナへの外国部隊展開は受け入れられないとしています。
- ザポリッジャ原子力発電所:ゼレンスキー氏は、ロシアの管理下にある同発電所の扱いが未解決だと指摘しました。
- ドンバス地域の地位:ロシアはドネツクの一部地域からのウクライナ軍撤退を要求し、ウクライナ側は現状の前線での停戦を主張しており、立場の隔たりが大きいとされています。
年末の交渉ムードに「疑惑と報復予告」 次に焦点はどこへ
12月30日時点、ロシアは「報復は避けられない」と示唆し、ウクライナは「口実づくりだ」と反論しています。停戦交渉が続く一方で、攻撃の正当化や抑止をめぐる言葉の応酬が激しくなるほど、交渉のテーブルは揺れやすくなります。
今後は、(1)ロシアが交渉姿勢をどう「見直す」のか、(2)米国・欧州の安全保障案がどこまで具体化するのか、(3)原発・領土といった核心争点に折り合いの糸口が生まれるのかが注目点になりそうです。
Reference(s):
Russia accuses Ukraine of drone attack on presidential residence
cgtn.com








