ウクライナ、米軍派遣の可能性でトランプ氏と協議 安全保障の「保証」めぐり
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が2025年12月30日(現地時間)、安全保障上の保証の枠組みの一部として、米軍部隊のウクライナ国内での展開(派遣)の可能性について、米国のドナルド・トランプ大統領と協議していると述べたと、インターファクス・ウクライナ通信が報じました。戦況や停戦交渉の行方が見通しにくい中で、「保証」をどこまで具体化できるかが焦点になりそうです。
何が起きたのか:ゼレンスキー氏「強い立場になる」
報道によると、ゼレンスキー氏は記者団に対し、トランプ氏および「有志連合(Coalition of the Willing)」の代表者と、米軍の展開可能性を協議していると説明しました。
また、こうした動きが安全保障の保証において「強い立場」になり得るとの見方を示しつつ、最終的な決定は米国が行うとも述べたとされています。現時点では、派遣の規模、任務、期間、指揮系統などの具体像は示されていません。
「有志連合」とは:合意形成の場が複線化
「有志連合」は一般に、共通の目的のために参加意思のある国・地域が柔軟に協力する枠組みを指します。報道の文脈では、ウクライナの安全保障支援や将来の保証をめぐり、関係国が調整する政治・実務の場として機能していることがうかがえます。
こうした枠組みは、既存の同盟や国際機関の議論と並行して進むことがあり、スピード感のある調整ができる一方で、関係国間の役割分担や責任の線引きが難しくなることもあります。
次の動き:2026年1月にウクライナとフランスで会合予定
ゼレンスキー氏は同日、Telegramへの投稿で、有志連合の各国の国家安全保障担当の助言者らが2026年1月3日にウクライナで会合を開く予定だと述べたとされています。さらに、その後に1月6日にフランスで首脳会合が予定されているとも言及しました。
年明け早々に会合が連続する日程は、停戦の枠組みや支援の継続、そして「保証」をどう制度設計するかを急いで詰める必要がある、という空気を反映している可能性があります。
論点:米軍展開が「保証」になると何が変わるのか
米軍の展開が議論される背景には、「約束」ではなく「実効性のある抑止」をどう示すかという課題があります。一般論として、部隊の存在は抑止力のシグナルになり得る一方、次のような論点も生まれます。
- 任務の範囲:訓練・監視・後方支援なのか、より広い任務なのか
- エスカレーション管理:関係国が意図しない緊張の高まりをどう避けるか
- 国内政治との整合:米国側の意思決定プロセスや世論の影響
- 欧州側の負担分担:支援の役割分担をどう再整理するか
今回の発言は「協議中」であり、実際の展開の有無や時期は不透明です。ただ、年明けの会合が続くことから、関係国間で選択肢の具体化が進む可能性はありそうです。
いま注目されるポイント(読みどころ)
- 「安全保障の保証」が、文言ではなく実装(仕組み)としてどこまで詰められるか
- 有志連合の会合(1月3日・6日)が、協議の方向性をどこまで可視化するか
- 最終判断を握る米国が、どの選択肢を現実的と見るのか
2025年の年末時点で、ウクライナが求める「保証」の中身は、政治日程と直結しながら再び動き出しています。年明けの協議が、抑止と交渉のバランスをどの形に寄せるのか、静かに見極めたい局面です。
Reference(s):
Ukraine in talks with Trump over possible deployment of U.S. troops
cgtn.com








