国連、2026年のアフガニスタン支援に17.1億ドル要請 食料危機と帰還者増が焦点
国連は2026年に向け、アフガニスタンの人道危機が「世界最大級の一つ」として続く見通しだとして、総額17.1億ドル(約17億1,000万ドル)の人道支援を呼びかけました。2025年の年末時点でも、食料不安や自然災害、医療・保護ニーズが重なり、支援の設計そのものが問われています。
国連OCHAが「2026年人道支援計画」17.1億ドルを発表
国連人道問題調整事務所(OCHA)は今週火曜日(2025年12月30日)、アフガニスタンに関する2026年の人道支援ニーズ・対応計画を発表しました。OCHAは、危機は2026年も依然として世界最大級の人道危機の一つにとどまるとしています。
2026年に支援を必要とする人は2,190万人
OCHAの推計では、2026年に人道支援を必要とする人は約2,190万人。これは2025年から4%減とされますが、規模としては依然として非常に大きい水準です。
最大の懸念は「急性の食料不安」:1,740万人、うち470万人が緊急段階
とりわけ深刻なのが食料事情です。2026年には約1,740万人が「急性の食料不安」に直面すると見込まれ、うち約470万人がIPCフェーズ4(Emergency/緊急)に該当するとされています。
※IPCは、食料不安の深刻度を国際的に分類する枠組みで、フェーズ4は生命や生計への重大なリスクが高い段階を指します。
支援の対象は1,750万人を優先:命を守る支援に重点
国連の人道パートナーは、2026年に支援が必要な人の約80%にあたる1,750万人を「優先対象」として支援する計画で、これに必要な費用として17.1億ドルを見込んでいます。
主な支援分野(OCHAの説明)
- 食料支援
- 住まい(シェルター)
- 医療
- 栄養(栄養不良への対応)
- 安全な水(飲料水)
- 衛生(衛生環境・衛生用品など)
- 複数目的の現金支援(現金給付で各家庭の必要に応じた支出を可能にする支援)
計画全体は「命を守ること」と「保護(プロテクション)」に軸足を置くとされます。
なぜ危機は長引くのか:非紛争下でも“構造的な脆弱性”
OCHAは、アフガニスタンの人道状況が高止まりする背景として、深い構造的脆弱性と、食料不安の悪化、そして繰り返されるショックを挙げています。紛争が主要因ではない局面でも、暮らしを支える仕組みが弱いところへ複数の打撃が重なると、危機は持続しやすくなります。
繰り返されるショックの例
- 気候要因による干ばつ
- 地震や洪水
- 感染症など複数の疾病流行
- 深刻な保護リスク(特に女性と女児)
2025年だけで261万人超が帰還:受け入れ地域に圧力
さらにニーズを押し上げる要因として、国境を越える大規模な帰還があります。OCHAによると、2025年だけで261万人超のアフガニスタンの人々がイランとパキスタンから帰還しました。
帰還の増加は、住居、医療、教育、水・衛生といった基礎サービス、そして雇用や生計手段に対し、受け入れ地域(ホストコミュニティ)へ大きな負荷をかけるとされています。「支援が必要な人が増える」だけでなく、「地域の支え手側も消耗する」構図が生まれやすい点が、見えにくい課題です。
2026年を読むうえでのポイント:数字の“減少”だけでは測れない
2026年の「支援を必要とする人」が前年比で減る推計は示されましたが、食料不安の深刻層(IPCフェーズ4)や、自然災害・疾病流行・帰還者増などの複合要因を踏まえると、現場の負荷が自動的に軽くなるとは限りません。資金の確保と、必要な人へ届く支援の優先順位づけが、2026年の現実を左右しそうです。
Reference(s):
UN launches $1.71 bln humanitarian appeal for Afghanistan in 2026
cgtn.com








