スイス・クランモンタナのバー火災、死者約40人 身元確認に数日か
スイス南部の高級スキーリゾート、クランモンタナ中心部のバーで年越しパーティー中に大規模火災が発生し、約40人が死亡、115人が負傷しました。2026年1月2日(現地時間)も、当局は焼損が激しい遺体の身元確認を急いでいます。
何が起きたのか(分かっている事実)
現地報道などによると、火災が起きたのは「Le Constellation(ル・コンステラシオン)」とされるバーで、警報は大みそかから元日にかけての深夜、午前1時30分すぎ(現地時間)に出されました。複数州から救急車が多数出動し、ヘリコプターも投入されたということです。
- 死者:約40人
- 負傷者:115人(多くが重傷と説明)
- 負傷者の搬送先:ヴァレー州の州都シオンのほか、ローザンヌ、チューリヒ、ジュネーブなど
死傷者数は、ヴァレー州警察のフレデリック・ジスレ警察本部長が1月1日(木)午後の会見で確認しました。
最大の課題は「身元確認」――DNAと歯科情報で進める
当局が直面しているのは、亡くなった人たちの身元を確定する作業です。バーにいたのは主に若者だとされ、やけどが極めて深刻で、氏名の公表まで数日かかる可能性があると説明されています。
ヴァレー州政府のマティアス・レイナール氏は、歯科記録(歯の情報)やDNAサンプルを用いて確認していると述べ、「遺族に伝える情報があまりに重大で繊細なため、100%確実でなければならない」との趣旨を語りました。行方不明者の家族が情報を求める中、自治体側も慎重な対応を続けています。
また、クランモンタナのニコラ・フェロー市長も1月1日夜の会見で、遺体の身元特定が最優先であり、完了まで時間を要し得ると述べました。
原因は調査中――当局は「事故の可能性」を示唆
出火原因は現時点で不明です。当局は「攻撃ではなく事故のようだ」との見方を示しています。一方、生存者の証言やソーシャルメディア上の映像として、地下の天井付近でスパークするキャンドルが近づき火が移った可能性をうかがわせる話も出ています。
ただし、ヴァレー州のベアトリス・ピルー検事総長は、原因の断定は時期尚早だとしています。混乱の中で広がる情報ほど、裏取りに時間がかかる局面でもあり、今後は実況見分や関係者聴取などの積み上げが焦点になります。
国内の対応:大統領は新年演説を延期、州は非常事態を宣言
スイス連邦のギー・パルムラン大統領(スイス連邦大統領)は、この出来事を同国史上でも最悪級の悲劇の一つだと述べ、遺族への哀悼の意を表明しました。連邦庁舎では5日間、半旗が掲げられるとしています。大統領は予定していた新年演説も延期しました。
また、ヴァレー州当局は非常事態を宣言しました。重傷者の一部は、後日、国外の病院へ移送される可能性があるとも説明されています。
「沈黙の集まり」――現地で広がる追悼
1月1日夜、クランモンタナでは多数の人々が凍てつく夜に集まり、花を手向け、ろうそくを灯して犠牲者と負傷者を悼みました。現場周辺には仮設テントが設けられ、発電機の音だけが響く中、言葉少なに立ち尽くす人の姿が伝えられています。
こうした集まりは、数字では捉えきれない「知人が巻き込まれたかもしれない」という不安や、地域コミュニティの痛みを映し出します。身元確認が進むにつれ、悲しみはより具体的な形で社会に共有されていくことになりそうです。
各国・地域の動き:中国国籍者の被害は「報告なし」(1日夜時点)
報道によれば、在スイス中国大使館は1月1日午後7時(現地時間)時点で、中国国籍者の死傷情報は報告されておらず、領事保護ホットライン等への支援要請も入っていないとしています。大使館は現地警察と連携して確認を進めている一方、スイス当局側も被害者の身元や国籍の確認作業の途上だとされています。
年越しの場で起きた火災は、救急医療・身元確認・情報発信のすべてを同時に試します。今後、原因究明と再発防止の議論がどこまで具体化するのかが注目されます。
Reference(s):
Swiss bar fire kills 40 as identification of victims gets under way
cgtn.com








