イラン、米国に「マドゥロ氏を釈放せよ」 不法拘束と主張
2026年1月5日、イラン外務省のエスマイル・バガエイ報道官は、米国がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と妻を拘束したことについて「国際法に反する不法な行為だ」と非難し、釈放を求めました。米国側は、軍事作戦で身柄を確保し、米国内で訴追する方針だとしています。
何が起きたのか:米軍作戦と米国内での訴追
米軍は、ベネズエラで攻撃を実施したうえで、マドゥロ氏と妻の身柄を確保し、米国へ移送したと発表しました。マドゥロ氏は同日、ニューヨーク・マンハッタンの連邦裁判所に出廷し、米政権が提起した「麻薬テロ(narco-terrorism)」の罪で手続きに臨んだとされています。
イランの主張:「主権への侵害」「大統領夫妻の拉致」
テヘランでの定例記者会見でバガエイ報道官は、米国の行為を「ベネズエラの主権に対する違法な行動」だと位置づけ、次のように述べたとされています。
- 「一国の大統領とその妻を連れ去ることは誇るべきことではない」
- 「完全に違法であり、ベネズエラ当局や住民が強調するように、大統領は釈放されなければならない」
さらに、国連加盟国に対し「国際法の重大な違反」に対応するよう促し、こうした行動が「ここで止まらない」と警告しました。
背景:制裁下で近づいてきたイランとベネズエラ
マドゥロ氏はイランの近い協力相手とされ、両国は強い制裁を受けるなかで、貿易関係の強化を模索してきたとされています。報道官は、マドゥロ氏の拘束後も「イランのベネズエラ支持は個人ではなく原則に基づく」と述べ、関係を“人物”ではなく“立場”として語った点が注目されます。
もう一つの緊張:イラン国内の抗議行動と米大統領の発言
会見では、イラン国内情勢にも言及がありました。イランでは先月末以降、通貨リアルの急落を背景に複数都市で抗議行動が起きているとされ、当局はデモの発生を認めつつ、経済的不満に対応する構えを示しながら、暴力や破壊行為には警戒を示しているということです。
一方で、米国のドナルド・トランプ大統領は1月4日、抗議行動を「非常に注意深く」監視していると述べ、抗議者が殺害されればイランを「非常に厳しく」攻撃すると発言したとされています。これに対しバガエイ報道官は、イラン軍は主権を守るためにためらわないと述べました。
今後の焦点:法廷・国連・世論が交差する局面
この問題は、米国内の司法手続きだけでなく、国際法上の評価や国連の場での議論、そして各国の世論の動きとも絡み合っていきます。現時点で見えている論点は、次の3つです。
- 手続きの正当性:米国が示す作戦の根拠と、他国主権との関係
- 国連の反応:加盟国が「国際法違反」との主張にどう向き合うか
- 緊張の連鎖:ベネズエラ問題と、イラン国内の抗議行動をめぐる発言が同時進行する影響
強い言葉が飛び交うほど、対話の余地は狭まりがちです。法と手続き、そして当事者の安全をどう守るのかが、今週の国際ニュースの大きな焦点になりそうです。
Reference(s):
Iran says U.S. must release Maduro, calls detention unlawful
cgtn.com








