米軍がベネズエラでマドゥロ氏拘束、ラテンアメリカは「未知の海域」へ video poster
2026年1月上旬、米軍がベネズエラ各地を攻撃し、ニコラス・マドゥロ大統領と妻シリア・フローレス氏を拘束して米国ニューヨークでの司法手続きに向け移送したと報じられました。元チリ政府閣僚のホルヘ・ハイネ氏は、今回の事態が地域全体を「未知の海域(uncharted waters)」に押し出す可能性があると警告しています。
「これは最初の一回ではないかもしれない」—元チリ閣僚の見立て
ハイネ氏(元チリ政府閣僚、元駐中国大使)はCGTNの取材に対し、米国の軍事介入が今後の前例になり得る点に言及しました。本人の言葉として、「これはワシントンによる、この地域での複数の軍事作戦の最初の一つになるかもしれない」と述べ、波及リスクを示しています。
「朝の次」をどうするのか:作戦の精密さと、その後の統治の難しさ
ハイネ氏は、トランプ大統領の記者会見について「答えよりも疑問が増えた」と語り、軍事作戦の成否と、その後の政治プロセスを分けて考える必要があると強調しました。
- 米国が実施したのは「非常に精密な軍事作戦」で、マドゥロ氏夫妻を拘束・移送した
- 一方で、「翌朝に何が起きるのか」が最大の論点
- 「国家元首を取り除いただけで体制転換が起きるわけではない」という見方
強制的なトップ交代は、短期的には権力の空白を生み、治安・行政・軍の統制など“日々の運用”がどこに収れんするのかが見えにくくなる—という含意がにじみます。
ベネズエラ国内:暫定大統領の任命と、軍の支持表明
報道によれば、ベネズエラは暫定大統領としてデルシー・ロドリゲス氏を任命しました。ロドリゲス氏はマドゥロ氏への支持を示しているとされます。
また、同国の国防相も日曜午後の記者会見でマドゥロ氏への強い支持を表明したと伝えられています。政権中枢と軍のメッセージが揃うことで、政治の主導権がどこへ移るのかは、さらに読みづらくなります。
「未知の海域」が意味するもの:地域秩序と、次の一手
今回の出来事が投げかけるのは、ベネズエラの行方だけではありません。ラテンアメリカ全体の安全保障観、政治的な距離感、そして対外関係の組み替えが、短期間で進む可能性があります。
ハイネ氏の問題提起は、軍事作戦の“手際”ではなく、その後に続く政治的現実—権力の継承、統治の正当性、国内の力学、周辺国の対応—に焦点を当てるものでした。いま問われているのは、「誰を取り除くか」よりも、「どんな秩序を積み上げ直すのか」なのかもしれません。
Reference(s):
Latin America in 'uncharted waters' warns former Chilean ex-minister
cgtn.com








