仏パリ裁判所、ブリジット・マクロン氏へのネット中傷で10人に有罪判決
フランス・パリの裁判所は2026年1月5日、ブリジット・マクロン氏に対するサイバー・ハラスメント(ネット上の嫌がらせ)事件で、虚偽情報の拡散などに関与したとして10人に判決を言い渡しました。オンライン上の「偽情報」と「人格攻撃」をどう止めるかが、改めて問われています。
判決の概要:執行猶予付き中心、再発防止策も
報道によると、被告10人は、ブリジット氏の性別に関する虚偽情報や、フランス大統領夫妻の年齢差をめぐる中傷的な示唆を広げたとされます。
- 8人:禁錮4〜8か月の執行猶予付き判決
- 別の1人:公判欠席を理由に禁錮6か月(報道で「欠席により」と説明)
- 10人全員:オンライン憎悪表現に関する防止講習の受講を命令(費用は本人負担)
- 主要な扇動者とみなされた3人:SNSアカウント停止6か月
裁判所が問題視した点:「悪意があり、侮辱的」
担当判事ティエリー・ドナール氏は、ブリジット氏に向けられた「悪意のある、品位を傷つける侮辱」だと指摘し、被告らが「訴えた側に意図的な害を与えた」ことを理由に量刑を示したとされています。単なる“噂話”ではなく、狙いを定めた攻撃として扱われた格好です。
背景:年齢差への関心が、個人攻撃と結びつく構図
エマニュエル・マクロン大統領(48)とブリジット氏(72)の関係は、2017年に同大統領が就任して以降、国内外で強い注目を集めてきました。2人は、大統領が在学していた学校でブリジット氏が演劇教師だった時期に出会ったとされています。
近年は、この注目が過熱する中で、夫婦の関係性に関する詮索が、性別に関する虚偽情報などの拡散へとつながり、当事者が法的措置に踏み切るケースが目立っています。
家族の証言:「健康に影響」「常に見られている」
ブリジット氏本人は2025年10月の公判に出廷しなかった一方、告訴後の捜査当局への説明として、トランスジェンダーだとする主張が「自分と周囲の人々に強く影響した」と述べたとされています。
また、前の結婚での娘であるティフェーヌ・オジエール氏(41)は法廷で、「根拠のない主張が母の健康を損ねた」とし、「服装や立ち居振る舞いが常に注視され、イメージが歪められ得ることを意識せざるを得ない」と語ったと報じられました。
注目点:罰だけでなく「講習」と「アカウント停止」
ブリジット氏の弁護士ジャン・エノシ氏は判決後、重要なのは「防止講習」と「加害者の一部アカウント停止」だと述べたとされています。刑事罰に加え、拡散経路そのものを短期的に遮断し、再発を抑える設計になっている点は、各国で続く“偽情報と中傷”対策の議論とも重なります。
国外での法的対応も:米国での名誉毀損訴訟
報道では、マクロン大統領夫妻が米国の右派ポッドキャスター、キャンディス・オーウェンズ氏に対しても、ブリジット氏が「以前は男性だった」とする虚偽主張をめぐり、米国で名誉毀損訴訟を提起したとされています。オンライン上の言説が国境を越える時代に、司法の場もまた国境をまたいで動く現実が映し出されています。
今回の判決は、個人の尊厳を傷つける偽情報が「言いっぱなし」で済まされにくくなっていること、そして対策が“削除”だけでなく“再発防止”へ広がっていることを示す事例として注目されそうです。
Reference(s):
French court sentences 10 over cyber-harassment of Brigitte Macron
cgtn.com








