米国の渡航制限で揺れるナイジェリア航空、直行便17便に影響も video poster
米国がアフリカ26の国・地域に対して渡航制限(全面・一部の混合)を実施し、国際移動の空気が一変しています。対象の一つであるナイジェリアでは、渡航の制約に加え、ビザ審査の厳格化が意識され、回復途上だった航空需要にブレーキがかかりそうです。
何が起きているのか:26の国・地域に「全面・部分」混在の制限
今回の措置は、アフリカの26の国・地域を対象に、全面的な渡航制限と一部制限を組み合わせた形で運用されています。ナイジェリアも影響を受け、渡航上の制約と、より厳しいビザ運用が重なる状況になっています。
ホワイトハウスは、こうした制限の一部が米国の国家安全保障と移民政策の強化に関わる取り組みだと説明しています。
回復の途中で起きた「需要の冷え込み」
アフリカの航空業界は、パンデミック期の混乱から立ち直りつつあるタイミングでした。そこに渡航制限が重なったことで、ビジネス、留学、家族訪問など幅広い移動需要が再び慎重になりやすい局面に入っています。
業界関係者によれば、ナイジェリアと米国の往来は、もともとビザ取得の難しさもあり、すでに鈍化していたとされます。
「申請しても理由が示されない」――現場が感じる不透明さ
旅行コンサルタントのテミトペ・アデトゥンジ氏は、ビザ審査の体感として次のように語っています。
「もうお金を無駄にしたくないと感じる人が増えています。資金があり、条件を満たしていると思える人でも、面接で理由が示されないまま却下されることがある。申請が運任せのように感じられてしまうのです」
もちろん、ビザ審査は各国の裁量で運用されます。ただ、利用者側が『予測できない』と感じるほど、需要は簡単に冷え込みます。航空需要は、運賃よりも先に「見通しの立ちやすさ」に反応することがあるからです。
直行便はユナイテッドとデルタの2社、数字が落ちれば路線にも波
現在、米国—ナイジェリアの直行定期便は、ユナイテッド航空とデルタ航空の2社が運航しています。週17便を運航し、2024年には合計207,340人の旅客を運んだとされています。
一方で、渡航制限とビザ承認への不安が強まれば、今後数カ月で利用者が大きく減る可能性があり、次のような展開が現実味を帯びます。
- 搭乗率の低下による減便(週当たり便数の縮小)
- 繁忙期以外の運休や季節運航化
- 長期的には路線の見直し(撤退を含む)
航空会社の路線維持は、需要だけでなく機材繰りや採算、代替需要の有無など複数要因で決まります。それでも「不確実性」が長引くほど、航空会社は計画を保守的に組み替えやすくなります。
「対話の窓口が必要」――外交・文化・経済を含む再接続の模索
航空安全の民間枠組み「Aviation Safety Roundtable Initiative」のオルミデ・オフナヨ事務局長は、影響が航空産業だけでなく両国関係にも広がり得るとして、対話の必要性を強調しています。
「一定の協議が必要です。大使を任命して連絡窓口を作ること、そして経済・文化・外交など、あらゆる選択肢で米国との関与を深め、制限を緩和できないか探るべきです」
空の便は、観光商品であると同時に、人的交流やビジネスの回路でもあります。便数の減少は、数字以上に“つながりの手触り”を薄くしてしまう——そんな懸念が、現場の言葉からにじみます。
今後の焦点:需要の行方と、制度の「予測可能性」
2026年の年初時点での焦点は大きく二つです。ひとつは、実際に予約・搭乗がどの程度落ち込むのか。もうひとつは、ビザ運用や渡航ルールが、利用者と企業にとってどれだけ見通せる形で運用されるのかです。
国際線は、政治・安全保障・移民政策と隣り合わせにあります。だからこそ、空のルートを維持するには、機材や運航計画だけでなく、制度への信頼感をどう保つかが問われています。
Reference(s):
cgtn.com








