欧米約30か国、ウクライナに「法的拘束力ある安全保障」要求 仏英は停戦後の派兵も視野
なぜ今重要か:ウクライナの将来の和平合意をめぐり、停戦後の「強固で拘束力ある安全保障」を条件に据える動きが、欧米側で具体化しつつあります。
パリで合意:「拘束力ある安全保障」を和平の前提に
1月6日(現地時間)、パリで開かれた会合で、欧米を中心とする約30の国・地域による枠組み「Coalition of the Willing(有志連合)」は、将来の和平合意にはウクライナに対する強固で、政治的・法的に拘束力を持つ安全保障を盛り込む必要があるとの立場で一致しました。
共同宣言では、国連憲章の原則に沿った「公正で永続的な平和」へのコミットメントを確認しています。
「停戦発効後」に保証を実装へ:監視、軍事支援、防衛協力
共同宣言によると、有志連合は、停戦が発効した後に、政治的・法的拘束力のある保証の仕組みを整える用意があるとしています。想定される要素として、次が挙げられました。
- 米国主導の停戦監視メカニズムへの参加
- ウクライナへの軍事支援
- 長期的な防衛協力
「安全保障の保証」を、停戦の“後”にどのような法形式で固めるのか。今後の交渉の焦点になりそうです。
仏英は停戦後の部隊派遣も検討:戦闘任務ではない位置づけ
会合では、フランスと英国が、和平合意が成立した場合にウクライナへ部隊を展開することを想定した「意向表明(declaration of intent)」に署名したとされています。
フランスのマクロン大統領は、停戦後の平和維持のために「数千人」規模のフランス兵を展開し得るとの見通しに言及。あわせて、フランス2のインタビューで、停戦合意が署名された後にロシア・ウクライナ国境の監視に関わる「作戦」に参加すると述べました。
一方で、フランス兵は戦闘部隊ではないと強調し、ウクライナ軍の「再生(regeneration)」にも関与するとしています。
英国のキア・スターマー首相も、英仏がウクライナ各地に軍事ハブを設置し得ると述べたとされています。
米国も会合に参加:トランプ大統領が「合意されたプロトコル」を支持
今回の会合には、これまでの有志連合会合と異なり、米国のスティーブ・ウィトコフ特使、ジャレッド・クシュナー氏(ドナルド・トランプ大統領の娘婿)に加え、欧州担当の米軍トップであるアレクサス・グリンケウィッチ大将も出席したとされています。グリンケウィッチ大将は前日に、欧州各国の陸軍首脳と安全保障の保証の詳細を協議したとも伝えられました。
また、ロシアとの協議を主導してきたとされるウィトコフ特使は会合後、トランプ大統領が合意された安全保障プロトコルを支持していると述べたとされています。
今後の注目点:停戦の「後」をどう設計するか
今回のポイントは、停戦そのものだけでなく、停戦が発効した後の「担保(保証)」を、政治宣言にとどめず拘束力ある枠組みとして組み立てようとしている点です。今後は、次の論点が現実的な争点になりそうです。
- 「拘束力」をどの文書・制度で担保するのか(政治合意か、法的枠組みか)
- 監視メカニズムと部隊展開の役割分担をどう線引きするのか
- 長期の軍事支援・防衛協力を、各国がどう継続可能にするのか
停戦と和平を「成立させる」だけでなく、「維持する」ための設計が問われる局面に入っています。
Reference(s):
Western coalition backs binding security guarantees for Ukraine
cgtn.com







