「グリーンランドは売り物ではない」仏外相、米の取得検討発言に牽制
フランスのジャン=ノエル・バロ外相が、デンマーク領グリーンランドをめぐり「グリーンランドは売り物ではない」と改めて強調しました。米ホワイトハウス報道官が「米軍の活用」を含む取得の選択肢に言及する中、NATO加盟国間の緊張をどう抑えるかが焦点になっています。
仏外相「将来はグリーンランドとデンマーク当局の合意で定まる」
バロ外相は7日(水)、ラジオ・フランスのインタビューでフランスの立場を説明し、「グリーンランドはグリーンランドの人々のものであり、その将来はグリーンランド当局とデンマーク当局の合意によって定義される」と述べました。
主権や帰属をめぐる言い回しを避けつつ、「住民の意思」と「関係当局の合意」を基礎に据える表現で、フランスの支持を明確にした形です。
「NATO国が別のNATO国を攻撃するのは意味がない」
バロ外相は、安全保障面でも踏み込み、「NATO加盟国が別のNATO加盟国を攻撃するのは、まったく意味をなさない。米国の利益にも完全に反する」と述べました。
発言の背景には、同盟の抑止力は“加盟国同士で争わない”という前提に支えられる、という認識があります。仏外相は、グリーンランド問題が同盟内の不信を増幅させることを警戒しているようです。
米側は「選択肢を検討」—ルビオ氏は「ベネズエラのようなことは起きない」と説明
バロ外相によると、同氏は6日(火)に米国のマルコ・ルビオ国務長官と協議しました。その中でルビオ氏は、「ベネズエラで起きたことがグリーンランドで起きる可能性」を否定したといいます。
一方で、ホワイトハウスのカロライン・レヴィット報道官は同じく6日(火)、ドナルド・トランプ大統領とチームが、デンマークのグリーンランドを獲得するため「幅広い選択肢」を検討していると述べ、その中に「米軍の活用」も含まれると発言しました。
バロ外相が念頭に置いた「ベネズエラ」—軍事攻撃と拘束に国際的反発
今回、バロ外相が言及した「ベネズエラで起きたこと」は、3日(土)に米軍がベネズエラに対して軍事攻撃を行い、ニコラス・マドゥロ大統領と妻をベネズエラ領内で拘束した出来事を指します。この動きは広範な非難と抗議を招き、多くが「違法な行為」だとして非難し、主として同国の膨大な石油資源の掌握を狙ったものだと指摘しました。
フランスは「欧州パートナーと連携して対応」
バロ外相は、米国側の発言を受けたフランスの対応について、単独ではなく欧州の枠組みで進める考えを示しました。具体的には、ドイツとポーランドの外相と協議する意向を述べています。
いま何が問われているのか(要点)
- グリーンランドの将来は「住民」と「グリーンランド当局・デンマーク当局の合意」で決まる、という原則
- 米側が「軍の活用」を含む選択肢に触れることが、NATO内の信頼に与える影響
- 欧州が、価値観の対立ではなく“同盟のルール”として整理し直せるか
同じ同盟の枠内で、領域や安全保障の議論がどこまで許容されるのか。今後の外交メッセージの出し方次第で、北大西洋の秩序観そのものが試される局面になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








