トランプ大統領、国連関連など66国際組織からの脱退を指示
米国が「国益に合わない」とする国際枠組みから一気に距離を取り始めました。トランプ米大統領は米国時間7日、66の国際組織からの脱退を指示する覚書に署名し、ホワイトハウスがXで発表しました。
何が起きた?「66組織」からの脱退を一括で指示
ホワイトハウスの説明によると、トランプ大統領は「American First(米国第一)」の方針のもと、米国の利益に資さないと判断した国際組織からの脱退を進めるよう指示しました。対象は合計66組織で、内訳は次の通りです。
- 国連(UN)関連:31組織
- 非国連:35組織
ホワイトハウスの公表リストでは、気候変動、グローバル・ガバナンス(国際的な統治の枠組み)、労働などを扱う機関が多く含まれ、政権側が「多様性」や「woke(ウォーク)なアジェンダ」を推進すると位置づける領域が目立ちます。
対象はどこ?国連の地域委員会から気候・エネルギー枠組みまで
国連関連の例として、米国の脱退対象に挙げられたのは以下のような組織です。
- 国連経済社会理事会(ECOSOC)配下の地域別パネル(アフリカ、ラテンアメリカ・カリブ、アジア太平洋、西アジア)
- 国際法委員会(International Law Commission)
- 国際貿易センター(International Trade Centre)
- 国連貿易開発(UN Trade and Development)
また、非国連組織として、次の枠組みが挙げられています。
- 24/7 Carbon-Free Energy Compact
- Global Counterterrorism Forum(世界テロ対策フォーラム)
- Global Forum on Migration and Development(移民・開発に関する世界フォーラム)
- Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)
- International Renewable Energy Agency(国際再生可能エネルギー機関)
- Regional Cooperation Agreement on Combating Piracy and Armed Robbery against Ships in Asia(アジアの海賊対策に関する地域協力協定)
「就任1年」を前に加速する国際機関離れ
入力情報によれば、1月20日でトランプ大統領の第2期が1年となります。ホワイトハウス復帰から「ほぼ1年」の間に、トランプ氏は世界保健機関(WHO)、パリ協定、国連教育科学文化機関(UNESCO)からの離脱計画を表明したとされています。
さらに、国連への資金拠出の削減、国連人権理事会(UN Human Rights Council)との関与停止、パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出停止の延長にも言及がありました。今回の「66組織」脱退指示は、こうした流れをより広範に制度化する動きとして映ります。
何が変わる?気候・移民・安全保障の「空白」をどう埋めるか
一括離脱が現実の運用にどこまで影響するかは、各組織の規約や手続き、資金の出し手の構造などによって変わります。それでも、影響が出やすい論点は整理できます。
- 気候・エネルギー:国際的な合意形成や科学評価、脱炭素の共通ルールづくりで、米国の関与が細る可能性
- 移民・開発:移民と経済・人道の接点を扱う場で、対話の回路が減るリスク
- 貿易・開発:途上地域の貿易支援や開発課題の議論で、米国のプレゼンスが後退
- テロ対策・海上安全:情報共有や協力枠組みの再設計が必要になる可能性
今回の動きは「米国が抜けた分を、他の参加者がどう補うのか」という実務の問題も伴います。資金だけでなく、専門人材、議題設定、共同声明の文言調整など、目に見えにくい部分で影響が出ることがあります。
NATOにも波紋:グリーンランド発言と「同盟は守るのか」
入力情報では、トランプ大統領が同日、自身のSNSで「必要なときにNATOが米国を守るのか疑わしい」と投稿したとされています。これに先立ち、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相が「米国によるグリーンランドへの軍事攻撃は、同盟を事実上終わらせ得る」と警告したとも伝えられています。
国際組織からの離脱と同盟への疑義は別のテーマに見えますが、「多国間の枠組みをどこまで信用するか」という点で地続きです。各国が、協力のコストとリターンをより露骨に計算し始めるきっかけになる可能性もあります。
今後の注目点:手続き、資金、そして反応
今後は、次のポイントがニュースの焦点になりそうです。
- 脱退の通知や実施時期(いつ、どこから影響が出るか)
- 米国の拠出金・参加人員の扱い
- 国連や各組織、関係国・地域の反応
- 空白を埋める新たな枠組みが生まれるのか、それとも分断が進むのか
多国間協調は、うまく回っているときほど存在感が薄い一方、揺らぐと生活や企業活動の前提(ルール、基準、予測可能性)にじわりと影響します。今回の「66組織」脱退指示は、その揺らぎがどの領域から可視化されるのかを占う出来事になりそうです。
Reference(s):
U.S. pulls out of 66 international organizations on Trump's orders
cgtn.com








