スペイン首相、米国のベネズエラ強制作戦を批判「危険な前例」
スペインのペドロ・サンチェス首相は今週火曜日(1月6日)、米国がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を力で拘束・連行したとされる作戦について、「世界を不確実性と不安定の時代へ押しやる危険な前例になる」と警告しました。
何が起きたのか:サンチェス首相が「国際法違反」を強調
サンチェス首相は、パリで開かれたウクライナ支援に関する「有志連合(Coalition of the Willing)」会合後の記者対応で、カラカスでの作戦が「極めて悪質で危険な前例」だと述べました。さらに、国際法に反する軍事行動の正当性は認められないとして、スペインとして「沈黙しない」姿勢を示しました。
「資源目的の政権転覆に見える」との指摘
サンチェス首相は、問題の行動が国際法に違反するだけでなく、目的が「天然資源の確保のための政権転覆以外に見当たらない」と受け止められかねない点を強く問題視しました。過去に「石油への渇望に突き動かされた侵攻」の後に国際秩序が揺らいだ経験がある、とも語っています。
スペイン政府の反応:外相も「武力は外交から排除すべき」
スペイン政府としての批判は首相発言に限りません。ホセ・マヌエル・アルバレス外相は前日(月曜日)、今回の攻撃について「明確に国際法に反する」と述べ、外交政策から「暴力的手段と武力の行使は完全に排除されなければならない」と強調しました。
議論が広がる論点:国際法、主権、そして「前例」の連鎖
サンチェス首相の発言が示す争点は、単発の危機対応というより、国際秩序のルールがどこまで守られるかという問題です。今回の件を「前例」として定着させないために、スペインは多国間主義(複数国の枠組みで課題に対処する考え方)を強める構えだと述べました。
- 国際法の位置づけ:武力による拘束や政権転覆の是非
- 主権と領土一体性:他国による強制行動が許される範囲
- 「前例」の連鎖:同種の行動が繰り返されるリスク
グリーンランド言及が示すもの:欧州の安全保障観とも接続
サンチェス首相は同じ場で、米国のドナルド・トランプ大統領がデンマーク領グリーンランドの併合を示唆したとされる件にも触れ、「欧州の国家であるデンマークの領土一体性への脅威も受け入れられない」と述べました。ベネズエラの件を“地域外の話”として切り離すのではなく、領土と主権をめぐる原則の問題として並べて語った形です。
今後の焦点:スペインが掲げる「沈黙しない」の意味
サンチェス首相は「国際法違反が増えている」とし、スペインは「合法性の側に立つ」「多国間主義を強化するため、利用可能な資源をすべて使う」と述べました。今回の発言は、ウクライナをめぐる議論の場から発せられた点でも注目され、国際社会が“ルールの線引き”をどこに置くのかという問いを改めて突きつけています。
Reference(s):
Spanish PM warns U.S. operation in Venezuela sets dangerous precedent
cgtn.com








