AU、イスラエルの「ソマリランド承認」を強く非難 ソマリアの領土一体性を強調
アフリカ連合(AU)が今週、イスラエルによるソマリランドの一方的な承認に「即時撤回」を求めました。決定がアフリカの角(ホーン・オブ・アフリカ)の安定や国際法秩序に波及しかねないとして、ソマリアの主権と領土一体性を改めて前面に押し出しています。
AUが出したメッセージ:承認は「無効で法的効果なし」
AUの平和・安全保障理事会は、2026年1月6日(火)に出したコミュニケ(声明)で、イスラエルの対応を「強く非難し、拒否する」と表明しました。声明では、今回の承認がソマリア連邦共和国の主権、領土保全、統一、安定を脅かす深刻な懸念を生むと指摘しています。
さらにAUは、加盟国の領域構成(国境や領域のあり方)を外部の行為主体が変更する権限はないとし、こうした宣言は国際法上「無効で、法的効果を持たない」と位置づけました。
焦点は「ホーン・オブ・アフリカの安定」と“前例”
AUが強く警戒するのは、当事国間だけにとどまらない連鎖反応です。声明は、承認が次のようなリスクを高めると警告しました。
- ホーン・オブ・アフリカにおける平和と安定の損なわれる可能性
- 地域の安全保障協力(治安・安定化の連携)の弱体化
- 確立された国際原則に反する「危険な前例」になる恐れ
国境や領土をめぐる問題は、地域全体の安全保障や外交関係に波及しやすいテーマです。AUは、今回の判断が「一度きりの例外」ではなく、他の局面にも影響する可能性を強く意識しているように見えます。
AUが各国に求めたこと:団結と「国際的な手続き」
AUは加盟国と国際的パートナーに対し、ソマリアの統一を再確認し、国際法秩序を損なう違法な行為を拒否するよう呼びかけました。あわせて、アフリカの団結と地域の安定を守るために連帯する姿勢を示しています。
また、AUは国連の関連機関による取り組みへの支持も要請し、国連総会での集団的な対応を含む可能性に言及しました。外交面では、国連という多国間の場を通じて「領土保全」を守る構図をより明確にしようとする動きと言えます。
「対話こそ唯一の道」—国内の違いは国内で
AUは、ソマリア国内の意見の違いを解決する道として、国内での対話の継続を促しました。そのうえで、国境に影響を与える一方的な行動は受け入れられないという立場を重ねて示しています。
直近の経緯:昨年12月26日の承認が火種に
イスラエルは昨年12月26日、ソマリランドを「主権国家」として正式に承認した初めての国になったとされています。これに対し、ソマリアや国際社会から迅速に非難の声が上がったとされ、今回のAU声明はその流れを受けたものです。
今回の論点は、承認の是非だけでなく、国境や領土の扱いをめぐる国際的なルールを、どの枠組みで守るのかという問題にも広がります。今後、国連を含む多国間の場で、各国がどのように立場を示すのかが注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








