米国がロシア船籍タンカーを大西洋で拿捕 元NATO高官「驚きはない」 video poster
大西洋の洋上で、ロシア船籍の石油タンカーを米国が拿捕(だほ)したとされる動きが注目されています。元NATO(北大西洋条約機構)高官のジェイミー・シェイ氏は、この対応は「驚くことではない」と述べ、焦点はむしろ米露関係への波及にあるとの見方を示しました。
何が起きたのか:大西洋でのタンカー拿捕と「潜水艦の影」
伝えられているのは、米国が大西洋上でロシア船籍の石油タンカーを拿捕したという事案です。さらに、このタンカーがロシアの潜水艦に「追尾されていた」という点も、緊張感を強める要素として受け止められています。
元NATO高官シェイ氏「驚きはない」—背景にベネズエラ産原油の取り締まり
シェイ氏(元NATO事務次長補=新興安全保障課題担当)はCGTNの取材に対し、米国の動きは、ベネズエラの石油輸送を「取り締まる」方針の延長線上にあると説明しました。
同氏は、米国がこれまでもベネズエラ沖で同様の取り組みを進めてきたとしたうえで、今回は「さらに踏み込んだ」形だという趣旨の見立てを示しています。
いちばんの注目点は米露関係:モスクワはどう反応するか
シェイ氏が「最も興味深い要素」と位置づけたのは、拿捕そのものよりも、これが米露関係に与える影響です。ロシア側(モスクワ)がどう反応するかによって、ワシントンとの関係が悪化する可能性があるという見方です。
また同氏は、欧州側が「欧州・ウクライナ・米国の和平案」に米国内の動き(トランプ氏が再び後押しすること)を期待しているという文脈にも触れました。そこに「ロシアへの圧力」という論点が重なるため、今回の事案が外交の温度感を左右し得る、というわけです。
「グリーンランド侵攻」発言は修辞的? ただしNATOにとっては良くない材料
シェイ氏は、米国によるグリーンランド侵攻をめぐる話題については「レトリック(言葉上のもの)」として退けつつも、NATOにとって「良いニュースではない」とも述べました。加盟国間の信頼や一体感が重視される枠組みにおいて、強い言葉が与える影響は小さくない、という含意です。
今後の焦点:海の現場から外交まで、何が動くか
- 米国の取り締まりの範囲:ベネズエラ関連の石油輸送に対する対応が、どこまで広がるのか。
- ロシアの反応:対抗措置や外交的メッセージの出し方次第で、米露関係の温度が変わる可能性。
- 欧州が期待する和平の流れ:欧州・ウクライナ・米国の枠組みをめぐる働きかけに、今回の事案がどう影を落とすのか。
海上の一件は、ときに外交の空気を一気に変えます。今回の拿捕が「単発の取り締まり」なのか、それとも関係国の計算を変える転機になるのか。2026年の年初、静かに注視したいニュースです。
Reference(s):
US tanker seizure 'not surprising', says former NATO official
cgtn.com







