イラン最高指導者ハメネイ師、団結訴え米国批判 抗議拡大の中で
イランで抗議活動が広がる中、最高指導者アリ・ハメネイ師が金曜日のテレビ演説で国民に「団結」を呼びかけ、米国を強く批判しました。通貨リヤルの急落と生活の苦しさを背景に緊張が高まる一方、前日の木曜日からは大規模なインターネット遮断も続いているとされています。
ハメネイ師の演説:団結の呼びかけと米国への反発
ハメネイ師は国民向けのテレビ演説で、国内の結束を保つよう促しました。その上で、一部の抗議者について「米国を喜ばせようとしている」との趣旨で言及したとされています。
発言の要点(報道内容に基づく)
- 抗議者は「別の国の大統領を喜ばせるために、自分たちの通りを壊している」と主張(米国のドナルド・トランプ大統領に言及)。
- 米国の指導者には「自国の問題に集中すべきだ」と促した。
- イランは「破壊工作を行う者」に対して「後退しない」と述べた。
- 米国の指導者を「傲慢だ」と表現し、「打倒される」とも語ったとされる。
抗議拡大の背景:通貨急落と経済的な苦境
報道によると、今回の抗議は通貨リヤルの急落と、複数の都市での経済的な困難をきっかけに、昨年(2025年)12月下旬から続いています。収入や物価など、日々の生活に直結する不満が蓄積していたことが、動きの広がりにつながっている構図です。
また、一部では警察と、政府が「暴徒」と表現する人々との間で衝突が起き、死者が出たとの報道もあります。抗議を「市民の訴え」とみる視点と、「治安の問題」とみる当局側の視点が正面からぶつかっている状況がうかがえます。
深まる情報遮断:インターネット停止がもたらすもの
イランでは木曜日から、広範囲でインターネット遮断が続いているとされます。加えて、国内の通信やメディアにも大きな混乱が出ているとのことです。
インターネット遮断は、抗議の呼びかけや映像の共有といった動きを鈍らせる一方、家族間の連絡、事業者の決済・物流、医療・行政の連絡網など、社会の基盤にも影響が及びやすいといわれます。現場で何が起きているのかが外部から見えにくくなる点も、緊張を高める要因になり得ます。
空の便にも影響:一部航空会社が運航を取りやめ
複数の国・地域の航空会社が、イラン発着便の運航を取りやめたとも報じられています。具体的には、トルコやアラブ首長国連邦(UAE)の航空会社による欠航が伝えられました。
移動の制約は、渡航者の安全確保の観点だけでなく、ビジネス出張や物流、在外者の往来にも波及します。国内情勢の不安定さが、国際的な往来の判断にも影を落としている形です。
今後の焦点:沈静化か、長期化か
現時点で抗議が収束する兆しははっきりせず、情報遮断や移動制約が続くほど、社会の「見通しの立たなさ」は増していきます。今後は、(1)抗議の広がりと当局の対応、(2)インターネット遮断の解除時期、(3)航空便など国際往来の回復、(4)指導部の追加メッセージの内容が、情勢を読む上でのポイントになりそうです。
Reference(s):
Iran's Supreme Leader Khamenei urges unity, slams U.S. in address
cgtn.com








