ベネズエラ「暫定大統領」ロドリゲス氏、マドゥロ夫妻の奪還を宣言 米は石油収入を非常措置で凍結へ
2026年1月、米国によるベネズエラへの大規模攻撃と「石油収入」をめぐる緊急措置が同時に動き、両国関係は一段と緊張を強めています。
何が起きたのか:1月3日の攻撃、1月9日の大統領令、1月10日の演説
ベネズエラの「暫定大統領」とされるデルシー・ロドリゲス氏は、1月10日(土)のテレビ演説で、ニコラス・マドゥロ氏と妻のシリア・フローレス氏を「ベネズエラに取り戻すまで休まない」と述べました。演説はカラカス東部、スクレ市の共同体フェアの場で行われたとされています。
- 1月3日:米軍がベネズエラに対し大規模攻撃を実施。マドゥロ氏とフローレス氏を拘束し、ニューヨークへ移送。米連邦当局は麻薬・テロ関連などの容疑で訴追し、2人は無罪を主張。
- 1月9日(金):ドナルド・トランプ米大統領が国家非常事態を宣言する大統領令に署名。米財務省口座にあるベネズエラの石油収入について、裁判所が差し押さえを試みる動きを「遮断する」内容とされています。
- 1月10日(土):ロドリゲス氏が演説で、1月3日の米側行動を「ベネズエラ国民への犯罪的侵略」と非難し、両国関係にとって「歴史に残る大きな汚点になる」と主張。
焦点は「身柄」と「カネ」――石油収入の扱いが政治問題に直結
今回のニュースで特徴的なのは、軍事行動(身柄の拘束)と、資金面(石油収入の扱い)が同時に前面化している点です。トランプ大統領の大統領令は、米国内の財務省口座で保全されているベネズエラの石油収入をめぐり、裁判所による差し押さえなどの動きを止める狙いがあるとされています。
ロドリゲス氏側は、こうした動きを「攻撃」と一体のものとして捉え、主権侵害だと位置づけています。一方で米側は、刑事事件としての訴追手続きと資金管理を進める構図です。
ベネズエラ外相は「麻薬国家ではない」と反論
ベネズエラのイバン・ヒル外相は1月10日、Telegramで声明を発表し、米側の麻薬取引に関する आरोप(申し立て)を否定しました。声明では、ベネズエラは「麻薬取引国家ではない」とした上で、平和と尊厳をもって主権を守る決意を示したとされています。
野党マチャド氏の「ノーベル賞をトランプ氏へ」提案は制度上不可能に
国内政治の文脈では、野党指導者のマリア・コリナ・マチャド氏の動きも注目されています。報道によると、マチャド氏は自身が昨年(2025年)受賞したノーベル平和賞をトランプ氏に「提供する」案を示しました。
しかし、ノルウェーのノーベル研究所は1月9日(金)、ノーベル賞は他者へ譲渡できないと説明し、この提案は認められないと明確にしたとされています。
トランプ氏は1月9日、Fox Newsのインタビューで、マチャド氏との面会は「大きな名誉」だと述べた一方、以前にはマチャド氏について「国内で支持や尊敬を得ていない」といった趣旨の発言もしていたと伝えられています。トランプ氏は「8つの戦争を終わらせた」功績がノーベル平和賞に値すると考えているとも報じられました。
今後の見通し:司法、外交、資源が絡む「長い綱引き」へ
現時点で見えているのは、(1)ニューヨークで進むとされる連邦訴追、(2)石油収入をめぐる米国内での法的・行政的措置、(3)ベネズエラ側の「奪還」主張と外交的対抗、という三つが並行して進む構図です。
軍事・司法・資源が一つの局面に収れんすると、解決は短距離走ではなく、ルールと正当性をめぐる持久戦になりがちです。次の焦点は、米側の非常措置が実務面でどこまで及ぶのか、そしてベネズエラ側がどのようなルートで「身柄の帰還」を求めていくのかに移っていきそうです。
メタ視点:同じ「制裁」や「凍結」といった言葉でも、対象が資金なのか、人物なのかで社会への効き方は変わります。今回の動きは、その二つが同時に進むとき、政治の温度がどれほど上がるのかを映しています。
Reference(s):
Venezuela's acting president vows to free Maduros as Trump eyes on oil
cgtn.com








