イラン大統領、米国とイスラエルが混乱を「指揮」と主張 補助金改革も説明
2026年1月11日、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領がテレビインタビューで、国内で続く抗議と治安悪化をめぐり「米国とイスラエルが暴徒を動かしている」と主張しました。物価高と通貨安が続くなか、治安当局は逮捕者の拡大や被害状況も公表しており、経済対策と治安対応が同時に問われています。
大統領発言:「混乱の種まき」と外部関与を主張
ペゼシュキアン大統領は、2025年6月の「12日間のイラン・イスラエル戦争」後、イランの「敵」が国内の混乱をあおっていると述べました。そのうえで、米国とイスラエルが「暴徒(rioters)」を指揮して国の不安定化を狙っているとし、外国勢力と結託した「テロリスト(terrorists)」が無辜の人々を殺害し、公共財産を攻撃していると主張しました。
大統領は国民に対し、「暴徒やテロリスト」から距離を置くよう呼びかけたとされています。
焦点は家計:大型の補助金制度改革を進める考え
同じインタビューで大統領は、政府が補助金制度の大規模改革を進めていると説明しました。狙いとして、次の点を挙げています。
- 市場の安定化
- 生産の押し上げ
- 人々の購買力の強化
- サプライチェーン(供給網)監督の強化
また改革の進捗を「最新状況」として共有し、当局として人々の声に耳を傾ける用意があると強調したとされています。
治安当局:逮捕の進展と、治安要員の犠牲
1月11日、イラン警察トップのアフマド・レザ・ラダン氏は、暴動の「主要参加者」が1月10日夜に逮捕されたと明らかにし、法的手続きの完了後に処罰されるとの見通しを示しました。
一方、警察特殊部隊司令官のマスード・モサデグ氏は、1月8〜9日に暴動鎮圧任務にあたっていた治安要員8人が死亡したと説明。「多数の暴徒が発砲し、さまざまな武器で攻撃した」と述べたとされています。
安全保障筋:全国で約200人を拘束、武器も押収と説明
安全保障筋の情報として、全国で「テロリスト指導者および作戦指揮官」約200人が逮捕され、暴徒の潜伏先から手榴弾や火炎瓶を含む弾薬・武器の大量押収があったとされています。
また、テヘラン市消防局のホドラトラ・モハンマディ局長は、武装した暴徒が民間住宅26棟を焼失させたほか、モスク34カ所、銀行40行、ショッピングモール15カ所、政府庁舎13棟への放火を行ったと述べたとされています。
背景:物価高と通貨安のなかで広がった抗議
今回の一連の動きの前段として、国内では物価上昇と通貨価値の下落を背景にデモが発生し、複数地域で暴動化して死傷者が出たとされています。複数のイラン当局者は、米国とイスラエルが混乱の「推進力」だと指摘しているとのことです。
いま何が注目点か
- 治安の論点:逮捕や取り締まりが、暴動の沈静化につながるのか。犠牲者が増える中で、治安当局の説明責任はどう果たされるのか。
- 生活の論点:補助金制度改革が、物価や供給、家計の不安にどこまで影響するのか。
- 政治の論点:外部関与をめぐる主張が国内世論や今後の対外関係にどう影響するのか。
治安と生活が同時に揺れる局面では、強い言葉が先に立ちがちです。いまは、発表される数字や制度変更の中身、そして現場で起きている被害の具体像がどこまで共有されるのかが、落ち着いた判断の土台になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








