米国、ガザ和平計画フェーズ2開始 統治と復興へ、パレスチナ委員会も発足
米国がガザ和平計画の「第2段階(フェーズ2)」を開始し、焦点が停戦維持から「非武装化・暫定統治・復興準備」へ移りました。住民の生活インフラと行政をどう立て直すのか——停戦後の現実に踏み込む局面に入っています。
フェーズ2で何が変わるのか:停戦から「統治」と「復興」へ
米国のスティーブ・ウィトコフ特使は現地時間1月14日(水)、SNSへの投稿でフェーズ2の立ち上げを表明しました。新段階は停戦の枠を超え、ガザでの長期的な安定に向けた条件整備を狙うとしています。
- 非武装化(demilitarization)に向けた取り組み
- 民生中心の行政運営(専門家による技術官僚型の統治を想定)
- 初期の復興計画(基礎インフラ・必需サービスの復旧を含む)
- 人道支援アクセスの円滑化
米国側は、進展には地域パートナーとの調整と、すでにある停戦合意の順守が不可欠だと強調しました。
米国「義務の完全履行」を要求 最終の遺体返還にも言及
発表では、米国がハマスに対し停戦上の義務を全面的に履行するよう求め、「最後の遺体となっている人質の即時返還」にも言及しました。履行されない場合は「深刻な結果を招く」と警告しています。
停戦を「合意の紙の上」から「日々の運用」へ移すには、当事者の遵守だけでなく、監視や調整の仕組みが必要になります。フェーズ2は、その仕組みづくりに踏み込む段階ともいえます。
エジプト・カタール・トルコが「パレスチナ技術者(テクノクラート)委員会」設置を発表
同じ1月14日(水)、エジプト、カタール、トルコは、ガザの移行期間に行政を担う「パレスチナ技術者委員会」の設置完了を共同で発表しました(エジプト外務省の共同声明)。
委員会の役割は、政治対立を前面に出すのではなく、住民生活に直結する行政機能をつなぐことに置かれています。
- 行政サービスの管理(民生分野の運営)
- 人道支援の調整
- 復興の初動支援
委員長は、パレスチナ自治政府で計画省次官を務めた経験を持つ技術者、アリ・アブデル・ハミド・シャアト氏とされています。仲介国側は、この委員会が「政治プロセスを置き換えるものではなく、補完する実務メカニズム」だと位置づけました。
米国は「ピース・カウンシル」設置も予告 停戦実施と復興を監督へ
さらに米国は、停戦合意の履行監督と復興支援を後押しする「ピース・カウンシル(Peace Council)」の設置を、数日内に発表する見通しだとされています。国際的な支持の取りまとめが難航し、これまで遅れが出ていたとも伝えられました。
停戦の次に問われるのは、物資の流れ、行政の意思決定、治安の空白をどう埋めるかです。複数国の仲介と委員会設置が同時に動いたのは、ガザが「停戦後の統治」という難題に直面していることの裏返しでもあります。
人道アクセスの確保が鍵 仲介国が合意順守を再要請
仲介国は、停戦合意の完全順守に加え、支援物資の搬入、物資移動、基礎インフラ復旧を妨げないことを改めて求めました。行政と人道支援の調整が機能しなければ、停戦が維持されても生活の不安定さは残り、次の緊張の火種になり得る——そうした問題意識がにじみます。
イスラエル側:遺体返還を「最優先」と表明
イスラエルのネタニヤフ首相府は、人質遺体としてガザに残る最後の1人とされるラン・グアイリ氏の遺族と首相が話した後の声明で、「ランの帰還が最優先だ」と述べました。また、技術者委員会の設置に関する動きは「埋葬のための帰還の努力に影響しない」ともしています。
停戦合意の履行、遺体・人質問題、暫定統治、復興の入口——それぞれが別の課題に見えて、実際には一本の線でつながっています。フェーズ2の成否は、合意文言の強さよりも、現場での調整と信頼の積み上げに左右されそうです。
Reference(s):
U.S. launches phase 2 of Gaza peace plan, forms Palestinian committee
cgtn.com








