ベネズエラが石油改革を要請、米軍は関連タンカー6隻目を拿捕
ベネズエラで石油産業の改革案が焦点になっています。デルシー・ロドリゲス暫定大統領(行政機関を代表して年次報告)は現地時間1月15日、海外からの投資を呼び込み景気回復を後押しするため、立法機関に改革案の承認を求めました。同じ日に米軍が「ベネズエラ関連」の石油タンカーを新たに拿捕したと発表しており、輸出環境の不透明感も強まっています。
改革案で何を変えようとしているのか
ロドリゲス氏は、提案中の改革がベネズエラの石油産業について、運営環境の最適化と国際協力の能力強化につながるとの考えを示しました。狙いは、外貨獲得力の高い石油部門をテコに、経済回復の足場を固めることにあります。
産油は「昨年12月に日量120万バレル」――収入の使途も提示
ロドリゲス氏によると、ベネズエラの原油生産は昨年12月(2025年12月)に日量120万バレルに達しました。石油輸出の収入については、主に次の分野に充てる方針だとしています。
- 公的医療システムの整備
- 経済発展の推進
- インフラ事業の前進
一方で米軍はタンカー拿捕を継続、「今週は輸出が通常の半分程度」との報道も
米南方軍は同日、Xで「ベネズエラ関連」の石油タンカーを拿捕したと発表しました。声明によれば、国土安全保障省を支援する形で、空母「USSジェラルド・R・フォード」から出動した部隊がMotor/Tanker Veronicaを「問題なく」拿捕したとしています。先週の5隻目に続き、これで6隻目の拿捕だと伝えられています。
米南方軍は「ベネズエラから出る石油は、適切かつ合法的に調整された石油のみだ」と強調し、トランプ政権がカリブ海で制裁対象船への取り締まりを続ける姿勢を示しました。
また、米ウォール・ストリート・ジャーナルは、船舶データ分析のKplerを引用し、今回の取り締まりがベネズエラの原油輸出に大きな影響を与え、今月(2026年1月)の積み出し量が通常の約半分程度に落ち込んでいると報じています。Kplerは、港で積み込みが確認できるのは「米国向けの船」と「国内製油所向けの輸送」に限られるとも述べたとされています。
交渉と投資の「同時進行」へ――外貨ルート多角化も示唆
ロドリゲス氏は「ベネズエラはいま重要な転換点にある」と述べ、より実務的で多様な外貨獲得のルートを探る考えを示しました。さらに、米国を含むすべての相手との関係は「相互尊重」を基礎に扱うべきだとも語っています。
一方で、先週には米エネルギー長官クリス・ライト氏が、米国がベネズエラの貯蔵原油を販売するだけでなく、同国の産油販売を「無期限に」管理すると述べたとされています。ベネズエラ側が投資環境の整備を急ぐほど、輸出の制約という現実が同時に重くのしかかっている構図です。
今後の見どころ:改革承認と輸出制約のはざまで
今後は、(1)立法機関が改革案をどう扱うのか、(2)輸出の目詰まりが生産や財政運営にどう波及するのか、(3)米国との実務的な調整がどこまで進むのかが注目点になります。投資呼び込みと輸出制約が同時に進む状況で、回復シナリオがどのように描き直されるのか、静かに見守る局面です。
Reference(s):
Venezuela pushes for oil industry reforms amid U.S. tanker seizures
cgtn.com








