米「全ての選択肢」維持 イランは国連に外国干渉反対を要請
2026年1月15日(現地時間)、米ホワイトハウスは、イラン情勢をめぐり「全ての選択肢を排除しない」姿勢を改めて示しました。一方、イラン側は国連に対し「外国の干渉」への反対を求める書簡を送ったとしており、軍事・外交・制裁が同時進行する形で緊張が高まっています。
米国は「重大な結果」に言及、軍事介入も否定せず
ホワイトハウスのカロライン・レビット報道官は記者会見で、抗議活動をめぐる暴力が続く場合「重大な結果(grave consequences)」があると警告しつつ、トランプ大統領が「全ての選択肢をテーブルの上に置いている」と述べたと説明しました。軍事介入の可能性を明確に否定しない構図です。
今回の抗議活動は、通貨リアルの急落など経済的な不満を背景に、2025年12月下旬から始まったとされています。米側は「状況を注視している」とし、対応の選択肢を狭めない姿勢を前面に出しました。
制裁・部隊運用・同盟国との調整が並走
動きは軍事面だけにとどまりません。報道によると米軍は中東の拠点からの部隊退避を進める一方、増援も展開しているとされ、抑止と備えの両面を意識した運用が示唆されています。
経済面では、米財務省が1月15日、イランに関連するとされる新たな制裁を発表しました。対象は13の組織と11人で、法執行機関や革命防衛隊に関係する人物、エネルギー部門と関係する人物が含まれるとされています。組織側には、イラン国内の刑務所や、アラブ首長国連邦に拠点を置く企業8社も含まれると報じられました。
外交面でも水面下の調整が続いています。米紙ニューヨーク・タイムズは、イスラエルのネタニヤフ首相が1月14日にトランプ大統領と電話協議し、米国による対イラン軍事攻撃を遅らせるよう求めたと報じました。米国が数日間にわたり判断を検討している、という文脈で伝えられています。
イラン外相は国連に書簡「外国干渉のあらゆる形態に反対を」
これに対し、イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相はアントニオ・グテーレス国連事務総長宛てに書簡を送り、「あらゆる形態の外国干渉」への反対を求めたと、イラン外務省が1月15日に発表しました。
声明によれば、外相は、各地の混乱について「テロリスト」が経済的抗議を利用して武装した暴動へとエスカレートさせたと主張。さらに、米国の現職・元高官による「無責任で挑発的な発言」が暴力やテロ行為を直接あおったとも述べたとされています。米国の繰り返される武力行使の威嚇は、国連憲章と国際法の目的・原則に対する重大な違反だ、というのがイラン側の立場です。
国内では「首謀者」逮捕の発表も
イラン情報省は同日、ケルマン州で最近の暴動に関与したとする「首謀者」6人を逮捕したと発表しました。声明では、6人が軍事施設の撮影を続け、イスラエルのモサド情報機関につながる海外の人物に画像や座標を送ろうとしたものの、ネットワーク障害で失敗したとしています。現場では銃器、スタンガン、催涙ガス、爆発物製造用の大量の材料を押収したとも述べています。
いま焦点になっている3つの点
- 軍事的な「抑止」と「実行可能性」:米国が示す「全ての選択肢」が、圧力の言葉にとどまるのか、現場の部隊運用と結びつくのか。
- 国連の場での主張の応酬:イランが求める「干渉の非難」と、米国側が重視する人権・治安上の論点が、どのように扱われるのか。
- 制裁の波及:追加制裁が、金融・エネルギー・地域企業にどの程度の影響を与え、抗議の背景にある経済不安にどう作用するのか。
強い言葉が飛び交う局面ほど、当事者がどのカードを「切れる」状態にあるのか、そして切った場合の代償をどう見積もっているのかが見えにくくなります。軍事・制裁・国連外交が同時に動く今、次の数日〜数週間の小さなシグナルが、情勢全体を左右する可能性があります。
Reference(s):
U.S. retains 'all options,' Iran urges UN against foreign interference
cgtn.com








