英国、予備役の招集年齢を65歳へ引き上げ 2027年春に制度改正
英国は、軍の予備役戦力を強化するため、元軍人を招集できる年齢上限を現行より10年引き上げて「65歳」にする方針を明らかにしました。制度変更は2027年春からの施行が見込まれています。
何が変わる?発表された2つの改革
今回の発表の柱は、大きく2点です。
- 招集できる年齢上限:元軍人を呼び戻せる上限を10年引き上げ、65歳へ
- 招集できる状況(要件)の拡大:これまでの「国家の危機、大緊急事態、または英国への攻撃」だけでなく、「warlike preparations(戦時に準じる準備)」も対象に含める
背景:欧州で「予備役の厚み」を増やす動き
発表では、欧州各国が予備役を拡充する流れがあることも示されています。フランスやドイツを含む欧州諸国は、ロシアによるウクライナでの軍事作戦や、米国が欧州に対して安全保障面でより大きな役割を担うよう求めていることなどを受け、予備戦力の強化に動いているとされています。
「必要なときに迅速に動員」——英国側の狙い
英国の取り組みを率いるポール・グリフィス氏(将官)は、次のように述べています。
"These reforms will allow us to mobilize that talent rapidly when it matters most, strengthening our readiness and aligning with a similar approach many NATO forces are taking,"
発言は、予備役を「人数」だけでなく「即応性(readiness)」の観点から見直す意図をにじませます。年齢上限の引き上げは、経験を持つ人材の層を厚くする設計ともいえます。
数字で見る:英国の「戦略予備役」は約9.5万人
英国政府によると、現在の戦略予備役(strategic reserve)は約9万5,000人で、王立海軍(Royal Navy)、陸軍(Army)、王立空軍(Royal Air Force)の退役軍人などが含まれるとされています。
「Dad's Army」と重ねられる理由
今回の計画は、1970年代の英国テレビ・コメディー番組Dad's Armyを想起させるとして話題になっています。同作は、第二次世界大戦中にドイツの侵攻が懸念された時期、英国で募集されたホームガード(Home Guard)を題材にした長寿番組として知られています。
ただ、制度改正の中身は娯楽的なイメージとは別に、招集要件の拡大や年齢上限の見直しなど、実務面の設計変更が中心です。予備役を「いざという時の最後の手段」から「危機に近づく局面でも使える手段」へ寄せていくのか——2027年春の施行に向け、運用の線引きが注目点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








