EUとメルコスールがFTA署名、25年交渉が決着へ:批准と反対論点は
EU(欧州連合)と南米の地域ブロック「メルコスール」が土曜日、パラグアイの首都アスンシオンで自由貿易協定(FTA)に署名しました。25年にわたる交渉の節目となり、EUにとって過去最大規模の貿易協定になる可能性があります。
何が起きた? 25年越しの署名
署名したのはEU側と、メルコスール加盟国のブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイの代表者です。合意文書は今後、EU側は欧州議会での承認が必要となり、メルコスール側は4カ国それぞれの国内議会での批准(国内手続き)を経る流れです。
発効までの道のり:鍵は「承認」と「批准」
今回の協定は署名で終わりではありません。今後の主なステップは次の通りです。
- EU:欧州議会での承認
- メルコスール:ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイでの批准
報道内容によれば、欧州の一部では強い反対がある一方、メルコスール側の批准は相対的に大きな争点になりにくいとの見方が示されています。
数字で見るインパクト:関税の9割超が対象
協定が承認・批准されれば、EUとメルコスールの二国間貿易のうち90%超で関税が撤廃される見込みです。両者は合わせて世界GDPの約30%、消費者は7億人超の規模とされています。
発効時期については、承認・批准が進んだ場合、2026年末までの発効が見込まれるとされています(きょう=2026年1月18日現在、手続きはこれからです)。
「関税より公正な貿易」—首脳のメッセージ
EU欧州委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエン氏は、今回の合意を「関税よりも公正な貿易を選ぶ」決定だとして、長期的な協力関係を強調しました。
また、欧州理事会議長アントニオ・コスタ氏は、ルールに基づく自由貿易、多国間主義、国際法を基盤とした関係の重要性を訴え、貿易を地政学的な道具として用いる動きと対比させる発言をしています。
開催国パラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領は、世界の緊張が高まる中で「国際貿易を支持する明確なシグナル」だと位置づけました。
背景:貿易相手の「分散」を急ぐ動き
今回の合意が注目される背景には、各国が貿易関係の分散(特定相手への依存を減らすこと)を急いでいる事情があります。報道では、ドナルド・トランプ米大統領の政権による関税の強硬な運用や貿易上の圧力が、各国に新たなパートナーシップ探しを促しているとも伝えられました。
一方で、欧州の一部で反対が強いことが示す通り、自由貿易協定は「市場拡大」だけでなく、国内産業や雇用への影響、ルール設計の受け止め方など、複数の論点が同時に浮上しやすいテーマでもあります。今後の審議では、経済効果と懸念の両方がどのように整理されるかが焦点になりそうです。
Reference(s):
EU and Mercosur sign trade agreement after 25 years of negotiation
cgtn.com








