ミネソタ州兵を動員、ミネアポリス緊張続く――ICEめぐる衝突に備え
米ミネソタ州で1月17日(土)、ミネソタ州兵が治安当局支援のため動員されました。ミネアポリス周辺では、連邦移民当局(ICE)をめぐる抗議と当局対応が交錯し、緊張が続いています。
州兵は「待機」—街頭投入ではなく、支援体制の構築
ミネソタ州公安局はX(旧Twitter)で、ティム・ウォルズ知事の指揮の下、州兵を動員し、地元の法執行機関や緊急対応機関を支援すると説明しました。
投稿によると、現時点で州兵は「市街地の路上に展開しているわけではない」ものの、次の目的で公共の安全を支える準備があるとしています。
- 人命の保護
- 財産の保全
- 平和的に集会する人々の権利の尊重
また州兵側もXで、隊員は「待機しており、必要に応じて支援する用意がある」と確認。もし活動が正式に発動される場合、他機関と見分けがつくよう反射ベストを着用するとしています。
発端はICEをめぐる銃撃—1月7日の死亡事件が抗議を拡大
今回の緊張の背景には、ICE職員による銃撃事件があります。1月7日、ICE職員が37歳の母親レニー・グッドさんを射殺したとされ、この出来事が全米規模の抗議行動につながりました。
トランプ政権は、グッドさんが車で法執行官をひこうとした疑いがあると説明。一方、地元当局は、映像からは差し迫った脅威がなかった可能性が示唆され、関与した職員の行動は無謀だったと述べています。
さらに、この約1週間で2件目となる「ICE関連の銃撃」が報じられた後、抗議が一段と強まったとされています。
連邦の軍投入示唆と、州側の反発—「暴動鎮圧法」をめぐる綱引き
緊張を高めた要素のひとつが、ドナルド・トランプ大統領の発言です。トランプ氏は1月中旬、暴動鎮圧法(Insurrection Act)を適用してミネソタ州に軍を派遣する可能性に言及しました。Truth Socialでは、ミネソタ州の政治家を「腐敗している」と批判し、ICEをめぐる衝突に対し強硬な姿勢を示しました。
これに対しウォルズ知事は、発言をエスカレートさせないよう求め、「温度を下げる」ことや「報復キャンペーンを止める」ことを要請したとされています。
また、ミネアポリス選出の民主党下院議員イルハン・オマル氏は、議会公聴会で、ミネソタ州での連邦側の展開について「このレベルの連邦による(権限の)過剰行使に、現代の前例はない」と述べました。
一方でトランプ氏はその後、記者団から問われた際に「今は必要ないと思う」と述べ、暴動鎮圧法の使用についてはトーンダウンした形です。
「州兵の動員」が示すもの—治安維持と権利の間で
州兵の動員は、ただちに武装部隊が市街地で活動することを意味しません。今回、州側が強調しているのは、地元警察や緊急対応機関を支える“後方支援”としての位置づけです。ウォルズ知事は先週、ミネアポリス南部での銃撃を受け、重要インフラの保護や公共の安全確保に備えて州兵を事前配置できるよう承認していました。
ただ、抗議が続く状況では、治安の確保と、平和的な集会の自由をどう両立させるかが常に問われます。州側が「平和的に集会する権利」を明記したのは、まさにその難しさを踏まえた表現とも言えそうです。
今後の注目点:現場の沈静化はどこで決まるのか
当面の焦点は、抗議現場での衝突が拡大するのか、それとも対話と捜査の進展で沈静化に向かうのかです。加えて、州兵がどの範囲まで支援任務を担うのか、そして連邦当局と州・地元当局の調整がどこまで機能するのかが、緊張の“次の段階”を左右しそうです。
Reference(s):
Minnesotan National Guard mobilized amid ongoing Minneapolis tensions
cgtn.com








