グリーンランド巡り再び関税圧力 トランプ氏、欧州に2月1日発動示唆 video poster
米国のドナルド・トランプ大統領が、グリーンランドの「購入」を米国に認めるよう求め、反対する欧州諸国に追加関税を科すと示唆しました。2025年にまとまった関税合意で落ち着き始めていた米欧貿易が、再び揺れています。
何が起きた?「グリーンランド購入」と関税を結びつける発言
報道によるとトランプ氏は週末、デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ、オランダ、フィンランド(いずれもEU加盟国)に加え、英国とノルウェーからの輸入品に対し、2月1日から段階的に関税を引き上げる考えを示しました。条件として、米国がグリーンランドを購入できるようになることを挙げたとされています。
対象とされた国・地域
- EU加盟国:デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ、オランダ、フィンランド
- EU域外:英国、ノルウェー
欧州の主要国は、こうした手法を「脅し(blackmail)」と受け止めたと伝えられています。
EUはどう動く?「説得」と「報復準備」を同時進行
翌日、EU加盟国の大使級が協議し、関税を思いとどまらせる働きかけを強めることで大筋合意した一方、実際に発動された場合に備えた対抗措置(報復関税など)のパッケージも準備する方針だと、EU外交筋が述べたとされています。
焦点の一つ:「反威圧措置(Anti-Coercion Instrument)」
EU側が検討し得るカードとして取り沙汰されているのが、第三国からの「経済的な威圧」に対抗するための枠組みである反威圧措置(Anti-Coercion Instrument)です。関税だけでなく、取引・投資など幅広い選択肢を持ちうるとされ、交渉局面では抑止力にもなります。
市場が揺れた理由:2025年の「合意疲れ」と、再び高まる不確実性
今回の動きは、昨年(2025年)に続いた貿易摩擦が、年央の関税合意でようやく沈静化していた流れを逆回転させかねない点で、企業や市場に衝撃を与えました。市場アナリストのトニー・シカモア氏(豪シドニーのIG)は、NATO同盟関係の先行きや、昨年の貿易合意が崩れるリスクへの懸念が強まったと指摘しています。
影響が出やすい産業は? 1.5兆ドル規模の米EU取引
報道では、EUと米国の財・サービス取引は2024年に推計で約1.5兆ドル規模にのぼるとされます。関税の応酬が現実になれば、サプライチェーン(供給網)や価格転嫁を通じて影響は広がりやすくなります。
- ドイツ:自動車産業
- デンマーク、アイルランド:医薬品産業
- イタリア〜フランス:消費財・高級品(ラグジュアリー)
この先の見取り図:2月1日までの「駆け引き」と、落としどころ
現時点での焦点は、トランプ氏が示唆した2月1日までに、欧州側が関税発動を回避できるかどうかです。説得が実るのか、あるいは相互関税で摩擦が深まるのか。市場が嫌うのは結論そのもの以上に、「先が読めない状態」が長引くことです。
グリーンランドという地政学的なテーマが、貿易政策(関税)と結びついた今回の展開は、同盟・安全保障と経済が分けにくくなっている現在の空気を、静かに映し出しているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com







